#092 屋上菜園の作り方【施工の流れ】

m3-f blogブログです。
1か月ほど前に、東京都内のとある保育園の園舎(3階建て)の屋上に菜園を作ってきたのでそのレポートです。

この記事をこんな方に☆

・建物の屋上で家庭菜園をしたいと思ってる方
・屋上菜園のつくり方を知りたい方
・屋上菜園を検討中の保育園、幼稚園、小学校のご関係の方

3m×4mの畑を建物の屋上に作る

今回屋上菜園を作ったのは、東京都区内にある70年超の歴史を持つ保育園の園舎屋上。
建物は約40年前に建てられ、今から10年ほど前に改築された状態でした。
屋上は、防水シートの上に子供たちがお遊戯できるようにゴムマットが敷かれ、天気の良い日はここで課題活動をされています。

3m×4m = 12㎡

約4坪ほどの小さな畑ですね。
資材を自分で調達して、1日(実際には半日強の時間)で施工をしました。

順を追って、写真と、使った資材と共にレポートします。

屋上菜園の作り方(施工の流れ)

作業開始。
今回は建物3階の上、資材を施工当日の朝8時30分に荷揚げして、AM9:00、作業スタートです!

耐根シート、フィルム

まず一番下ですが、「耐根(たいこん)フィルム」、シートを敷きます。
接着固定の強固なものもありますが、今回は、いざとなったら菜園を撤収できる、ように、フィルムを置くだけの方法(置くだけといっても土の重さが相当加わるので、容易に動かせるものではない!)で行いました。

耐根…なので、植物や野菜を植えた時に、その根っこが建物の屋上面・特に防水の層を破ってしまわないように縁を切るための資材ですね。

土留は枕木で。高さは20㎝。

畑・菜園の枠は、枕木で組みました。
幅10㎝、高さ20㎝の規格です。

ここで土の深さが決まります。
枕木の高さが20㎝なので、その中で野菜作りをするのがベースになります。
※この設定は専門の方に見てもらいましょう。特に、土の重さは何よりも重量があるので、建物の屋上床の「耐荷重」以内に収める必要があります。

建物の屋上耐荷重の話しはこちらも参考に。

保水・排水用の基盤パネルを敷き詰める

次に、これは屋上緑化をするときの専用資材である「保水・排水パネル」を敷き詰めます。

フィルムの上にそのまま土を入れてしまうと、どんどん下の方から締め固まって、やがて水が通らなくなってしまいます。
このパネルを敷くことで、凸凹の部分によって「一定量は保水」「それ以上は排水する」という土の下部の水分量の確保と、通気が図れる優れモノなんです。

ひと手間。酸素管を水下側に入れる

この白い管のようなもの。何かわかりますか?
これは酸素管、パイプで、菜園の水下(屋根の勾配の水が流れる下の方)に挿入しておきます。

上下に土が締め固まらないように基盤材を敷いたのと同じで、屋上の屋根には勾配が付いていてどちらかに水が流れるようになっているのでその水下側面が締め固まらないように水と空気を抜いてあげる機能を持たせてるんですね。

透水シートを敷く

さらに、ひと手間として「透水シート」というのを上から敷きます。

いよいよ土壌を投入

そしていよいよ、土壌を投入します。
この日は、有機質の堆肥を10%の割合でブレンドしました。

土は、屋上緑化・菜園専用の軽量のものを使いましょう!

屋上菜園で用いるのは、地面の花壇で使うものや畑の土はNG。
パーライトという、軽石のようなものが混ざった「軽量」の、屋上専用のものがありますので、それを使用しましょう。

完成

3m×4mの大きさの菜園完成!
時間は14:00。休憩を含めても5時間くらいでここまで完成させました。

1か月後、屋上菜園に植えていた野菜元気に

施工から1か月の先日、現地確認に行ってきました。
作業終了時に試しに植えておいたコマツナやミズナが、元気にすくすく育っていました
葉も青々として生き生きしてます。

担当者としては、この瞬間がたまらなく嬉しいのと、本当にホッとするんですよね。。
無機質だった屋上面に仕掛けを施して菜園を作って、見た目の畑はいくらでも作れるんでしょうけど、土・水の流れが1か月の気候を経て植物をどう育てるか。
結果として元気に育ってるのであれば「間違ってなかったんだ!」と胸をなでおろします。

保育園さんの屋上なので、ここをきっかけに子供たちが野菜作りに興味を持ってくれたり、楽しい!って思ってくれたら一番ありがたいです。

この記事を書いた人
m3firm運営者

m3-f blogを運営しています。
京都市出身、現在は東京都江東区に住まい、妻と一緒に小学生&保育園の二人の子育て中。両親の介護で京都との二拠点生活です。
「野菜作りを楽しむ」をコンセプトにした家庭菜園や農体験の運営を仕事として10年やってきました。今は独立して様々な情報発信などのお仕事と、不動産の管理などをしています。

2023年11月17日

Posted by m3firm