第168回 【京都のお盆】六道珍皇寺の「六道まいり」とは?三代で受け継ぐ精霊迎えのご奉仕#1229
京都の夏の風物詩である六道珍皇寺の「六道まいり」。あの世とこの世の境目とされる「六道の辻」で先祖の霊をお迎えする伝統行事の魅力と、三代にわたりお寺のご奉仕に携わる筆者の想いをご紹介します。

あの世とこの世の境目「六道の辻」と六道珍皇寺
僕の実家は、京都市東山区にあります。昨年亡くなった父や祖父母が眠るお墓がある菩提寺は、家のすぐ近くにある臨済宗建仁寺派の「六道珍皇寺(ろくどうちんのうじ)」です。
この界隈は古くから「六道の辻」と呼ばれ、あの世とこの世の境界とされてきました。昼は朝廷に仕え、夜は閻魔大王に仕えたとされる平安時代の官人・小野篁(おののたかむら)が冥土へ通ったという「冥土通いの井戸」も境内に残されています。ご本尊の薬師如来をはじめ、小野篁像や閻魔大王像が祀られている歴史あるお寺です。
京都のお盆を告げる伝統行事「六道まいり」
この六道珍皇寺で毎年お盆の時期に行われるのが、京都の年中行事として知られる「六道まいり」です。各家庭にお盆(8月13日~15日頃)のご先祖様の魂(お精霊さん)をお迎えするため、全国から毎年約3万人もの参詣者が訪れます。
京都の北西にある千本えんま堂(引接寺)でも同様の精霊迎えが行われますが、六道珍皇寺のある鳥辺野(とりべの)は平安時代からの京都最大の葬送地でした。さらに「冥土通いの井戸」があることから全国のご先祖様が戻ってくる通過点とされ、六道まいりは際立った賑わいを見せます。
六道まいりの参詣手順と高野槇の役割
六道まいりでは、参詣者は次のような手順でお参りをします。
- 参道で高野槇(こうやまき)を買い求める
- 水塔婆に供養するご先祖様の戒名などを書いてもらう
- 迎え鐘をつく
- 本堂でお参りをする
- 線香で水塔婆を清め、水回向(みずえこう)を行ってお寺に納める



参詣後に持ち帰った高野槇を仏壇や遺影の近くにお供えしておくと、迎え鐘の音を聞いたご先祖様が、高野槇を目印にして我が家へ迷わず帰ってこられると伝えられています。
祖父・父から三代続くお寺へのご奉仕
僕はこの六道まいり期間中(8月7日~10日)、早朝から夜10時まで仕事の調整をつけてお寺でご奉仕(お手伝い)をしています。法要の受付や、水塔婆に戒名をお書きするお手伝いなどを行う役割です。
我が家とお寺のご縁は、今から36年前に祖母のお墓をつくったことから始まりました。それ以来、祖父が長年ご奉仕を続け、その後を継いだ父も80代半ばまで生きがいのように勤めていました。父は昨年冬に旅立ちましたが、生前に一念発起して住職にお願いし、僕も手伝わせていただくようになりました。
祖父、父、そして僕へと三代にわたって継承してきたご奉仕の系譜を大切にしながら、また来年の夏に訪れる六道まいりを心から楽しみにしています。
noteでも記事を連載しています。

あわせて読みたい記事
おすすめの書籍

今回のブログ記事前後の関連記事


