第151回 【実録】両親がサ高住に入居して3年。選んだ理由と「看取り」までを経験して感じたこと#1212
2024年2月、京都市内のサ高住(サービス付き高齢者向け住宅)へ入居した僕の両親。複数の施設を見学した末に選んだその住まいは、父の最期を家族で納得して見届ける「看取りの場」ともなりました。入居から3年、医療型サ高住でのリアルな生活環境や費用感、そして実際に体験して感じた家族としての想いをつづります。
はじめに:2024年2月、両親の新しい生活が始まりました
2024年の2月、僕の両親は住み慣れた場所を離れ、京都市下京区にある「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」へと引っ越しました。
入居を決めるまでには、シニア向け分譲マンションや住宅型有料老人ホーム、介護付き有料老人ホームなど、数多くの施設を一緒に見学しました。当時は「絶対にサ高住がいい!」とこだわっていたわけではありません。当時の両親の健康状態や生活スタイル、そして立地条件を一つひとつ照らし合わせた結果、「この場所のサービスが一番合っている」と確信して選んだ住まいでした。
サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)とはどんな住まいか
ここで少し、サ高住について整理しておきます。サ高住とは、高齢者が安心して暮らせるよう一定の基準を満たした「賃貸住宅」のことです。
- ハード面の安心感 原則として居室は25㎡以上の広さがあり、バリアフリー構造が徹底されています。僕の両親の部屋には、トイレや洗面台だけでなく、キッチンや収納、お風呂も完備されていました。
- 入居の条件 基本的には60歳以上、または40歳以上で要介護・要支援認定を受けている方が対象となります。
- 提供されるサービス 法律で義務付けられているのは「状況把握(安否確認)」と「生活相談」の2つです。これらは賃貸契約とは別の「生活支援サービス契約」として結ばれます。
注意点としては、サ高住で提供されるのは「介護そのもの」ではないという点です。介護保険を利用したサービスや配食などは、必要に応じて外部の事業者と別途契約する仕組みになっています。
初期費用と月々のコストについて
サ高住の大きなメリットの一つは、初期費用を抑えられる点にあります。物件を購入するわけではないため、入居時に必要なのは主に敷金と前払い家賃です。
月々の支払いは、家賃に加えてサービス利用料、食費、光熱費などが基本となります。高額な入居一時金が必要な施設に比べると、資産の運用や生活設計が立てやすいという特徴がありました。
「医療型サ高住」を選んだことが大きな意味を持った
僕たちが選んだのは、特に医療体制が充実した「医療型」のサ高住でした。これが結果として、家族にとって非常に大きな意味を持つことになったのです。
入居から3年が経つ頃、父が天寿を全うして他界しました。サ高住は「住宅」ではありますが、終末期ケアが可能な施設を選んでいたおかげで、住み慣れた自分の部屋で、家族が納得ゆく形で最期を看取ることができました。病院ではなく、生活の延長線上にある場所で父を送り出せたことは、僕たちにとって大きな救いでした。
3年が経過した今、振り返って思うこと
父が旅立った後も、母はそのまま同じサ高住で生活を続けており、気づけば入居から3年以上の月日が流れています。
最初は「本当にここでいいのだろうか」と試行錯誤の連続でしたが、その時々の状況に合わせて柔軟にサービスを選べるサ高住という選択は、僕たち家族にとってベストな形だったのだと思います。
プライバシーが守られた自分たちの「家」でありながら、いざという時にはプロの見守りがある安心感。そんな環境のおかげで、父も母も穏やかな時間を過ごすことができたのではないかと感じました。この住まいを選んで本当に良かった、と心から思ったのでした。
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