#860 mission056 【家族の介護体験記】サ高住での転倒・入院・コロナ隔離を経て──父との再会に向けて僕が準備した3つのこと【介護振り返りnote】
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)で暮らす父が転倒し、救急搬送、そして入院。その後、コロナ陽性により1週間の隔離生活に入り、家族は面会もできない状況が続きました。その間に父の体調は大きく変化してしまったようで、再会を前に僕自身が心を整える必要を感じ、3つの行動を取りました。
① 専門家への相談で心の準備を
東京にいる間、訪問看護師として働く妻の弟に父の状態を詳しく共有しました。彼は精神疾患の患者さんのケアを専門としており、退院後の父に起こり得る変化や対応策を一緒に整理。特に、「まずは息子である僕と顔を合わせたときの反応が重要」というアドバイスは、心に深く響きました。
仮に認知機能がさらに低下していて、僕を認識できない、あるいは拒絶するような言動があるかもしれない。それでも“血のつながり”が心を動かす可能性に賭けて、面会を迎える覚悟を固めたのです。
② 氏神様への願掛け──家族の絆に祈りを込めて
面会解禁日である3月6日、僕は父と縁の深い神社を訪れました。子どもたちのお宮参りをした場所でもあり、父が元気だった頃には毎年初詣にも一緒に行っていた神社です。
「どうか父との面会が穏やかに、無事に進みますように」
神様に手を合わせ、心から祈りました。

③ 祖父母のお墓と仏壇の前で語りかけた本音
面会前日には、実家の仏壇に手を合わせ、祖父母のお墓に足を運びました。今の私の正直な想いを打ち明けたのです。
- 父が食事もできず、介護を拒否し続けるようであれば、もう限界かもしれない。そろそろ迎えに来てあげてほしい
- でも、もし少しでも生きようという気持ちが残っているなら、僕もできる限り寄り添いたい
- 認知症の母がまた施設を抜け出さないように、祖父母に見守ってほしい
不思議なことに、今の母や父とはもう会話が成立しないと感じる中、祖父母との“対話”のほうが心に届いた気がしました。
最後かもしれない──父との面会へ
「これが最後の会話になるかもしれない」
そんな思いがよぎる中、涙があふれたこともありました。
僕はできる限りのことをした。心を決めて、父との面会に向かったのです。
この記事では、介護、認知症、サ高住、訪問看護、家族との絆、終末期ケアといったテーマに触れ、多くの方に共感していただける内容になっています。似たような経験をされた方の参考になれば幸いです。
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