父の排泄トラブルと紙パンツ導入の奇跡 〜自分で気づいた変化〜#827 mission024
父の排泄がうまくできない問題に、僕は長らく悩まされていました。消臭スプレーを使って一時的に臭いを抑える対症療法も試しましたが、やはり根本的な解決が必要だと痛感していました。
そもそも、あれだけの強い臭いがあるのに、なぜ父も母も気づかないのか…。疑問に思ってかかりつけの主治医に相談したところ、最近の定期検診で気になることがあったと看護師さんが教えてくれました。
「先月の検診のとき、シャツやお尻のあたりに少し便がついていました。おそらく自分でうまく処理できなくなってきているんだと思います」
さらに、「80代を過ぎると、足腰や視力、歯と同じように“嗅覚”も衰えてくるんです。だから、以前は不快に感じていた臭いも感じにくくなっている可能性があります」とも。
なるほど、父自身も臭いに気づいていなかったのは、嗅覚の衰えが原因だったのかと納得しました。もちろん、傍らで生活している母も同じ状況だったのかもしれません。
理由がわかっても、根本的な改善策を見出せずに悩む日々。そんな2023年6月下旬、突然の変化が起こります。実家に戻ると、あの独特の異臭がしないのです。父は普段通りに生活していて、何事もなかったかのよう。
「たまたまかな」と半信半疑で一泊してみましたが、それでも臭いはなし。そして、翌朝。階段を降りてきた父が、小さなビニール袋を手にしているのに気づきました。
「何か変えた?」と聞くと、父は一言。
「おぉ、紙パンツ。これは便利や。丸めて捨てるだけやからな」
驚きました。これまで白ブリーフを履き続け、苦労しながら自力で処理していた父が、誰に言われたわけでもなく、自ら紙パンツに切り替えていたのです。
この出来事には感動しました。人にあれこれ指図されるのが嫌いな父は、強く言われると「どうでもよくなってしまうモード」に入ってしまうタイプ。でも、自分で気づき、自分のペースで調べて改善していくことは昔から得意だったのです。家電製品や生活用品も、そんなふうに工夫しながら使いこなしていました。
あの頃の父を思い出し、僕はとても嬉しくなりました。

この話を、以前から相談していたシニア住宅紹介のスタッフさんに伝えると、「お父さん、自分で気づいて自分で変えはったんですね。偉いなぁ、すごいですね」と感心されていました。
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