【不動産整理体験談】残地の“公衆用道路”が見つかった話|京都市山科区での相続後の対応 #902 介護振り返りnote098
2025年の春、僕は母の保有していた不動産の整理に本格的に取り組み始めました。
今回ご紹介するのは、その過程で判明した“残地”として残ってしまっていた「公衆用道路」の話です。

京都市山科区にある相続不動産の売却
話は少しさかのぼります。
母が相続していた京都市山科区の連棟住宅の一角。もともとは母の兄、つまり僕の叔父が所有していた土地建物でしたが、相続によって母の名義に。
しかし使い道がなく、固定資産税だけを払い続ける状態だったため、2021年に地元の不動産会社を通じて売却しました。
当時、母は認知症の初期症状があり、いわゆる“権利書”が見当たらない状態。
それでも司法書士と不動産会社に協力してもらい、固定資産税の課税対象となっている土地と建物については問題なく所有権移転が完了しました。
翌年に発覚した“見落とし”──公衆用道路の存在
ところが、翌年の2022年。叔母が亡くなり、母と一緒に古い資料の整理をしていたときに、見つかったんです。
「もう不要」と思っていた古い権利書。その中に、なんと“公衆用道路”として1.75㎡の土地が記載されていました。しかも、母名義のままで残っていたのです。
慌てて登記簿と公図を確認すると、確かにその土地は母の名義のまま。
なぜ気づけなかったのか、理由は以下の通りです:
- この小さな土地は飛び地のような扱いになっており、公図上では非常に見つけづらい位置に記載されていた
- 固定資産税の課税対象外の「公衆用道路」だったため、税金の請求も来ず、存在に気づけなかった
- 京都特有の古い住宅街にありがちな、“路地裏の共有道路”の一部だった
つまり、母はすでに関係のない建物とは別に、1.75㎡だけの道路用地を所有している状態だったのです。
将来のトラブルを避けるために
現状、この小さな土地に対しては税金も発生していないため、当面の問題はありません。
しかし、将来的に道路工事や大規模な建て替え、開発などがあった場合、所有者として僕が対応しなければならなくなる可能性があります。
母が亡くなれば、この権利は僕が相続することになる。だからこそ、「今のうちに処分しておこう」と考えました。
3つの処分方法を検討
不動産会社と司法書士に相談したところ、主に以下の3つの方法があることが分かりました:
- 現在の建物所有者に無償で譲渡する
→ストーリー的にも権利の流れとしても一番自然でスムーズ - 近隣住民(長年住まれている方)に譲渡する
→日常的にその道路を利用している方であれば、受け入れてもらえる可能性も - 不動産買取業者に有償で引き取ってもらう
→最終手段。ただし、面積が小さいため買い手がつくかどうかは未知数
まずは、過去に取引した不動産会社を通じて、現在の建物の所有者さんにコンタクトを取りました。
ご挨拶のうえで事情を説明し、無償譲渡が可能かどうかを丁寧に相談していくことにしました。
まとめ|小さな“残地”が将来の大きな負担に?
今回の件を通じて実感したのは、不動産の売却や相続には、思わぬ“抜け落ち”が潜んでいるということです。
特に京都のような古い住宅街では、共有道路や路地の権利関係が複雑に絡み合っているケースも多くあります。
もし、親の不動産を整理する機会があるなら、権利書や公図の確認はしっかりと行うことをおすすめします。
僕のように、あとから“残地”が見つかると、想定外の対応を迫られるかもしれませんからね。
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