【京都の暮らし】季節を彩る五節句。雅な風習と行事食で心豊かな一年を#1173
京都の街を歩くと、季節の節目ごとに大切に守られてきた「節句」の文化に出会います。3月のひな祭りや5月の端午の節句など、京都ならではの行事食や風習には、日々の暮らしを彩る豊かな知恵が詰まっていました。京都検定の勉強で見つけた、明日誰かに話したくなるような雅な歳時記の世界をご紹介します。
この記事内容から抜粋した練習問題5問☆
- 1月7日の「人日の節句」において、京都の古い風習で囃し歌を歌いながら包丁で刻む食材は何でしょうか?
- 3月3日の「上巳の節句」に供えられる、餅の端を引き千切ったような形が特徴的な京都ならではの和菓子は何でしょうか?
- 「京雛(きょうびな)」において、伝統的な飾り方では「男雛(おびな)」は向かってどちら側に配置されますか?
- 5月5日の「端午の節句」において、厄除けとして町家の屋根の軒先に挿される2種類の植物は何と何でしょうか?
- 9月9日の「重陽の節句」で行われる、菊の花に真綿を被せてその露や香りを移し、身体を拭う風習を何と呼びますか?
☆回答は記事の最後にあります。
京都の街を歩いていると、軒先に季節の飾りがしつらえてあったり、和菓子屋さんにその時期限定のお菓子が並んでいたりと、暮らしの中に「節句」が深く根付いているのを感じます。
今回は、京都検定の勉強を通じて再発見した、京都の暮らしに彩りを添える「節句」の文化についてまとめてみました。
目次
■人日の節句(じんじつのせっく):1月7日
お正月も一段落した1月7日は「七草の節句」とも呼ばれます。 京都の神社(北野天満宮や御香宮神社など)では、無病息災を祈る「七草粥」の振る舞いが行われることでもおなじみですね。
- 京都のポイント: 京都では七草を刻む際、「七草なずな、唐土の鳥が日本の土地へ渡らぬ先に…」と囃し歌を歌いながら包丁を動かす古くからの風習が今も残っています。
■上巳の節句(じょうしのせっく):3月3日
3月初めの巳(み)の日に行われていた行事で、現在は「ひな祭り」や「桃の節句」として親しまれています。
- 京都のポイント(京雛): 京都の雛人形(京雛)は、向かって右に男雛、左に女雛を飾るのが伝統です。これは「左(向かって右)が上位」という古来の考えに基づいています。
- 行事食: 京都のひな祭りに欠かせないのが**「引千切(ひちぎり)」**というお菓子。餅を丸める暇がないほど忙しかった際、端を引き千切って作ったという宮中の由来を持つ、京都ならではの生菓子です。
■端午の節句(たんごのせっく):5月5日
5月5日は、菖蒲(しょうぶ)を使って厄払いをする「男の子の節句」です。
- 京都のポイント: 京都の端午の節句といえば、和菓子屋さんに並ぶ**「粽(ちまき)」**。京都では小豆のこし餡が入ったもののほか、白味噌餡の柏餅も人気です。
- 軒の菖蒲: 京都の古い町家では、屋根の軒先に菖蒲と蓬(よもぎ)を挿して魔除けとする「軒菖蒲」の光景が見られることもあります。
■七夕の節句(しちせきのせっく):7月7日
願い事を書いた短冊を笹に飾る「七夕(たなばた)」です。
- 京都のポイント: 京都では旧暦にあわせて8月に「京の七夕」として大規模なライトアップ行事が行われるなど、夏の風物詩となっています。冷やし素麺を食べて、暑い夏を乗り切る無病息災を願います。
■重陽の節句(ちょうようのせっく):9月9日
9月9日は「菊の節句」とも呼ばれ、五節句を締めくくる最もおめでたい日とされています。
- 京都のポイント(着せ綿): 平安時代からの雅な風習として**「菊の着せ綿(きせわた)」**があります。前夜に菊の花に真綿を被せておき、翌朝、露と香りが移った綿で肌を拭って長寿を願うものです。
- 行事食: この時期、京都の家庭や料理屋では「栗ご飯」を食べて収穫を祝う習慣もあります。
あとがき 検定試験の対策として覚えるだけでなく、こうして背景を知ると、京都の街で見かける行事や和菓子がより一層愛おしく感じられます。 これから京都をより深く知りたいと思っている方の、ちょっとしたガイドになれば嬉しいです!
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前述の練習問題の解答☆
- 七草(なずな) (解説:北野天満宮などの七草粥の行事でも知られ、無病息災を祈ります。)
- 引千切(ひちぎり) (解説:宮中の儀式で人手が足りず、餅を丸める暇がなく引き千切ったという由来があります。)
- 向かって右(向かって右側が上位) (解説:現代の一般的な飾り方とは逆ですが、京都では古来の「左(帝から見て左=向かって右)上位」の文化を守っています。)
- 菖蒲(しょうぶ)と蓬(よもぎ) (解説:「軒菖蒲」と呼ばれ、邪気を払う伝統的な風習です。)
- (菊の)着せ綿(きせわた) (解説:平安時代から続く雅な風習で、長寿を願う行事です。)