🌸【京の舞台を彩る】歌舞伎の源流から名優まで!京都ゆかりのスターたち#1072

日本の伝統芸能・歌舞伎は、その発祥から名優の誕生まで、古都京都と切っても切り離せない関係にあります。この記事では、創始者である出雲阿国から、上方歌舞伎を確立した坂田藤十郎、現代を彩る名優たちまで、「京都ゆかりの歌舞伎関連の人物」に焦点を当て、その歴史と魅力をご紹介します。

この記事内容から抜粋した練習問題5問☆
  1. 歌舞伎の創始者とされる出雲阿国が、慶長5年(1600年)にとともに披露し、後に「かぶき踊り」に発展したとされる踊りの名称を、『時慶卿記』に記されている通りに答えなさい。
  2. 元禄期に上方歌舞伎を大成させた初代・坂田藤十郎が、名を上げて座元を務めた京都の芝居小屋の名称を答えなさい。
  3. 初代・坂田藤十郎が、近松門左衛門と提携して大成させた、遊女とのやり取りを描く上方芸の演じ方を何と呼ぶか答えなさい。
  4. 現代の歌舞伎俳優で、平成17年(2005年)に四代目坂田藤十郎を襲名した人物の、それ以前の三代目としての名前を答えなさい。
  5. 仮名草子**『恨みの介』**に、「北野へ行って国の歌舞伎を見よう」と記されているように、出雲阿国が活動の場とした京の神社を答えなさい。

☆回答は記事の最後にあります。

はじめに:古都が育んだ華麗なる伝統芸能

日本の伝統芸能である歌舞伎は、その発祥から発展に至るまで、京都と深い関わりを持っています。古都の舞台で独自の芸を磨き、後の歌舞伎の礎を築いた人物、そして現代に至るまで京都出身・ゆかりの深い名優たちをご紹介します。


🎭 歌舞伎の創始者:出雲阿国(いずもの おくに)

歌舞伎のルーツとされる「かぶき踊り」を始めた、まさに出雲阿国こそが歌舞伎の創始者です。

【京での活動と記録】

  • 初見の記録: 慶長5年(1600年)の『時慶卿記(じけいきょうき)』に、阿国と菊という2人が**「ややこ踊り」**を披露したと記録されています。
  • 「かぶき踊り」の最古の記録: 慶長8年(1603年)の『当代記』に、出雲の巫女の国による踊りが**「かぶき踊り」**として記されました。
  • 主要な舞台:北野天満宮や、後に歌舞伎の興行地となる五条河原などで活躍しました。
  • 仮名草子での言及: 『恨みの介』には「北野へ行って国の歌舞伎を見よう」という記述があり、当時の人気の高さがうかがえます。

【ゆかりの地】

  • 墓所: 阿国と、彼女の夫あるいは恋人とされる**名古屋山三郎(なごや さんざぶろう)**のものだという墓が、大徳寺塔頭・高桐院にあります。

🌟 上方歌舞伎を確立:坂田藤十郎(さかた とうじゅうろう)

**元禄期(げんろくき)**に京都を中心に活躍し、上方歌舞伎の芸風を大成させたのが初代・坂田藤十郎です。

【京の舞台での活躍】

  • 出身: 京都市出身。父は座元の坂田市右衛門。
  • 師事と座元: 杉九兵衛(すぎ きゅうべえ)に師事した後、名を上げて都万太夫座(みやこ まんだゆうざ)の座元を務めました。
  • 伝説の役: 延宝6年(1678年)の初演**『夕霧名残の正月(ゆうぎりなごりのしょうがつ)』での藤屋伊左衛門(ふじや いざえもん)**役が評判となり、生涯にわたり18回も演じた当たり役となりました。
  • 芸の確立: 脚本家・**近松門左衛門(ちかまつ もんざえもん)と提携し、色男の優しさや弱さを表現する「やつし事(やつしごと)」や、遊女とのやり取りを描く「傾城買い(けいせいがい)」**といった、上方歌舞伎独自の芸風を大成させました。

【現代の名優:四代目 坂田藤十郎】

  • 襲名: 平成17年(2005年)、当時の三代目中村鴈治郎(がんじろう)が四代目坂田藤十郎を襲名しました。
  • 経歴:京都市出身で、二代目鴈治郎の子。
    • 戦前から二代目扇雀(せんじゃく)の名で舞台に立っていました。
    • 戦後は、武智鉄二(たけち てつじ)の武智歌舞伎で研さんを重ね、昭和28年(1953年)の**『曽根崎心中(そねざきしんじゅう)』でのお初**役で一躍人気を得ました。

🌟 現代を担う名跡:その他の京都ゆかりの人物

現代の歌舞伎界を支える大名跡にも、京都ゆかりの著名な俳優がいます。

【市川團十郎(いちかわ だんじゅうろう)】

  • 当代: 昭和60年(1985年)に十二代目を襲名されました。(※記載の年は襲名年です)

【片岡仁左衛門(かたおか にざえもん)】

  • 当代: 平成10年(1998年)に十五代目を襲名されました。

終わりに:歌舞伎を通して京の歴史を学ぶ

歌舞伎は、役者の個性や時代ごとの流行を取り入れながら発展してきた、生きた伝統芸能です。京都の地で生まれた阿国の踊り、藤十郎の上方芸が、現代の舞台へと繋がっています。


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この記事を書いた人
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ロスジェネ40代の、あれこれ記録帳を運営しています。
京都市出身、現在は東京都江東区に住まい、妻と一緒に小学生&保育園の二人の子育て中。両親の介護で京都との二拠点生活です。
「野菜作りを楽しむ」をコンセプトにした家庭菜園や農体験の運営を仕事として10年やってきました。今は独立して様々な情報発信などのお仕事と、不動産の管理などをしています。

前述の練習問題の解答☆
問題番号回答
1ややこ踊り(ややこおどり)
2都万太夫座(みやこ まんだゆうざ)
3傾城買い(けいせいがい)
4中村鴈治郎(なかむら がんじろう)
5北野天満宮(きたのてんまんぐう)

Posted by ロスジェネ40代の、あれこれ記録帳