📅✨ 時を超えて紡がれる日本の心:京都・冷泉家を訪ねて〜800年の「和歌の家」の魅力〜#1068
京都に約800年の歴史を持つ「和歌の家」、冷泉家(れいぜいけ)があります。藤原定家の血筋を引くこの家が、なぜ現代まで途切れることなく伝統を守り続けられたのか? 正月の「歌会始め」や、門弟による七夕の祭典「乞功奠」など、今なお生きる公家文化の貴重な行事と、その魅力をご紹介します。
- 冷泉家が代々継承し、**「和歌の家」**と呼ばれるゆえんとなった日本の伝統芸能、あるいは道の名称を漢字二文字で記述しなさい。
- 冷泉家が約800年の歴史を持つとされる、その祖にあたる鎌倉時代初期の歌人父子のうち、『新古今和歌集』の選者としても知られる子の方の名前をフルネームで記述しなさい。
- 冷泉家で、門弟たちが技芸の上達を願って8月下旬から9月初旬(旧暦の七夕に近い時期)に執り行う七夕の行事を、漢字三文字で記述しなさい。
- 上記3の七夕の行事の際、祭壇の机の上に飾られる、願い事を書くために使われる葉の名称を記述しなさい。
- 冷泉家にとって、一年で最も重要な歌会とされ、宮中の歌会始のルーツの一つとも言われる、正月に執り行われる行事の名称を記述しなさい。
☆回答は記事の最後にあります。
京都には、時が止まったかのように伝統を守り続ける特別な場所があります。その一つが、約800年の歴史を持つ公家、冷泉(れいぜい)家です。代々「和歌の家」として歌道を継承し、国宝や重要文化財に指定された膨大な古文書や典籍を守り続けています。ただ古いだけでなく、今なお現役で伝統行事を執り行う冷泉家の魅力をご紹介します。

📜 800年の歴史が息づく「和歌の家」
冷泉家は、鎌倉時代初期の歌人、**藤原俊成(ふじわらのしゅんぜい)と、その子である藤原定家(ふじわらのていか)**の血筋を引く家柄です。
俊成・定家父子は、勅撰和歌集(天皇の命で編纂される歌集)である『千載和歌集』や『新古今和歌集』の選者であり、和歌の世界で極めて重要な位置を占めています。冷泉家は、この流れを汲み、「歌道の宗家」として、和歌の伝統と、歌会に関わる儀式・作法を現代まで伝え続けています。
🌸 冷泉家の年中行事:歌と星への祈り
冷泉家では、古来のしきたりに則った様々な行事が執り行われています。その中でも特に重要な二つの行事をご紹介します。
1. 🎍 年を寿(ことほ)ぐ:正月の歌会始め
冷泉家にとって、正月の歌会始めは一年で最も重要な歌会とされています。
この行事は、宮中で行われる「歌会始(うたかいはじめ)」のルーツの一つとも言われ、厳かな雰囲気の中で、和歌を詠み、互いの歌を鑑賞し合うという、公家文化の核となる伝統が継承されています。
2. 🎋 星に願いを:七夕の「乞功奠(きっこうてん)」
一般に知られる七夕とは趣が異なる、冷泉家独自の行事が「乞功奠(きっこうてん)」です。「しっせき」とも呼ばれます。
- 時期: 8月下旬から9月初旬(旧暦の七夕に近い時期)
- 目的: 歌会を学ぶ門弟たちが、技芸の上達(乞巧)を願って行う行事です。
- 「二星(たなばた)」: これとは別に、冷泉家家族だけで執り行われる、星を祀る行事もあります。
【祭りの光景】
- 祭壇の机の後ろには2本の笹が立てられます。
- 笹には、麻縄、五色の糸、そして願い事を書く梶の葉が飾られます。
- 机の手前には楽器が並べられ、これは**「お星さまに遊んでいただく」**ためのものとされています。
- 行事の中では、雅楽が演奏される中、星の座に向かって和歌が披露されます。これは、日本の伝統文化である和歌と星信仰が融合した、極めて貴重な光景と言えます。
📌 冷泉家の魅力:伝統は「生きている」
冷泉家の魅力は、建物が古いことや文化財が多いことだけではありません。
800年前に定家が確立したとされる歌道の作法や行事が、一度も途切れることなく、**現在もなお「生きている」**ことこそが最大の魅力です。京都の公家文化の深さと、和歌という芸術が受け継がれてきた重みを、強く感じさせてくれる特別な存在です。

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