📝京都の「大念仏狂言」:目指せ!京都検定合格#960

京都検定合格を目指すあなたへ!京都の伝統芸能である「大念仏狂言」は、出題頻度の高い重要テーマです。この記事では、京都三大念仏狂言(壬生・嵯峨・千本えんま堂)を中心に、上演場所、無言劇か有声劇か、成立の系譜といったポイントを徹底的に整理。受験のための備忘録として活用し、得点アップにつなげましょう。

この記事内容から抜粋した練習問題5問☆

1. 京都三大念仏狂言の一つである嵯峨大念仏狂言が演じられる、嵯峨釈迦堂として親しまれている寺院の正式名称を答えなさい。

2. 壬生大念仏狂言と嵯峨大念仏狂言の成立の祖とされ、平安後期に融通念仏行を広めたとされる人物は誰ですか。

3. 京都三大念仏狂言の中で、**唯一セリフ(有声劇)**があり、他の無言劇と区別される狂言は、どの寺院で演じられるものですか。(通称ではなく正式名称で答えなさい。)

4. 千本えんま堂大念仏狂言を平安末期に始めたとされる僧侶の名前を答えなさい。

5. 壬生大念仏狂言が上演される時期のうち、4月21日から29日までの春の行事以外で、10月の**スポーツの日(旧・体育の日)**を挟む3日間と、もう一つ上演される行事の日を答えなさい。

☆回答は記事の最後にあります。

京都には、念仏の功徳を説くために生まれた伝統的な宗教劇「大念仏狂言」が伝わっています。中でも壬生(みぶ)、嵯峨(さが)、千本えんま堂の三つは「京都三大念仏狂言」として知られています。


🎭嵯峨大念仏狂言(さがだいねんぶつきょうげん)

  • 場所:
    • 清凉寺(せいりょうじ)(通称:嵯峨釈迦堂)
  • 上演時期:
    • 4月10月
  • 特徴:
    • セリフはない(無言劇)。面をつけ、身振り手振りで演じる。
    • 歴史的背景:
      • 平安後期、**比叡山延暦寺東塔の阿弥陀房の良忍(りょうにん)を祖とする融通念仏行(ゆうずうねんぶつぎょう)**の流れを汲む。

🎭壬生大念仏狂言(みぶだいねんぶつきょうげん)

  • 場所:
    • 壬生寺(みぶでら)
  • 上演時期:
    • 4月21日から29日まで
    • 10月体育の日(現・スポーツの日)を挟む3日間
    • 節分の日と前日
  • 特徴:
    • セリフはない(無言劇)。面をつけ、身振り手振りで演じる。
    • 歴史的背景:
      • 平安後期比叡山延暦寺東塔の阿弥陀房の良忍を祖とする融通念仏行の流れを汲む(嵯峨大念仏狂言と同じ系譜)。
      • 重要無形民俗文化財に指定されている。
  • 備考:
    • 7日間の上演期間中、連日初回に『炮烙割(ほうらくわり)』が演じられる。

🎭千本えんま堂大念仏狂言(せんぼんえんまどうだいねんぶつきょうげん)

  • 場所:
    • 千本えんま堂(せんぼんえんまどう)(正式名称:引接寺(いんじょうじ)
  • 上演時期:
    • 5月1日~4日まで
  • 特徴:
    • ほかの念仏狂言が無言劇であるのに対し、**えんま堂大念仏狂言は有声劇(セリフがある)**である点が最大の特徴。
    • 歴史的背景:
      • 平安末期に**定覚上人(じょうかくしょうにん)**によって始められた。
      • 初期は念仏会の間に狂言が演じられていたが、やがて狂言が盛んになった。
      • 『雍州府志(ようしゅうふし)』では、春の行事であることから鎮火法会(ちんかほうえ)の余流であろうと解釈されている。
  • 備考:
    • この寺の桜は「普賢象桜(ふげんぞうざくら)」と呼ばれて有名。後小松天皇が足利義満の北山殿行幸の折に立ち寄った縁から、義満が桜の開花に合わせて大念仏会を催すよう沙汰し、寺領を寄進した。

🎭神泉苑大念仏狂言(しんせんえんだいねんぶつきょうげん)

  • 場所:
    • 神泉苑(しんせんえん)
  • 上演時期:
    • 5月1日から4日
  • 特徴:
    • 壬生狂言の系譜をひく。
    • 面や衣装、道具も独自。

【まとめと覚え方のヒント】

狂言名寺院名特徴成立の系譜上演時期(メイン)
嵯峨清凉寺無言劇良忍の融通念仏行4月、10月
壬生壬生寺無言劇良忍の融通念仏行4月下旬、10月、節分
千本引接寺(えんま堂)有声劇定覚上人による(平安末期)5月1日~4日
神泉苑神泉苑無言劇壬生狂言の系譜5月1日~4日

無言劇は「嵯峨」と「壬生」が融通念仏行の流れを汲むと覚え、「千本えんま堂」だけが有声劇で別系譜と区別すると覚えやすいです。

あわせて読みたい記事

おすすめの書籍

今回のブログ記事前後の関連記事

この記事を書いた人
本サイト運営者

ロスジェネ40代の、あれこれ記録帳を運営しています。
京都市出身、現在は東京都江東区に住まい、妻と一緒に小学生&保育園の二人の子育て中。両親の介護で京都との二拠点生活です。
「野菜作りを楽しむ」をコンセプトにした家庭菜園や農体験の運営を仕事として10年やってきました。今は独立して様々な情報発信などのお仕事と、不動産の管理などをしています。

前述の練習問題の解答☆

1. 清凉寺(せいりょうじ)

2. 良忍(りょうにん)

3. 引接寺(いんじょうじ)

4. 定覚上人(じょうかくしょうにん)

5. 節分の日と前日

Posted by ロスジェネ40代の、あれこれ記録帳