🍵京都の豊かな恵み【京野菜】を知ろう!~受験のための備忘録~#955
京都検定の合格を目指す皆さんのために、知っておくべき「京野菜」の知識を徹底整理!えびいも、すぐき菜、賀茂なす、九条ネギなど、それぞれの野菜の歴史、特徴、発祥の地をコンパクトに解説します。京の食文化を深く学び、備忘録として活用できる受験対策コンテンツです。
(1) 安永年間(1772~81)に祇園の「いもぼう」の先祖が、仕えていた青蓮院の門主から栽培を頼まれたのが始まりとされる、エビの形に似た里芋の一種を何といいますか。
(2) かぶの変種で、上賀茂神社の神官が邸内で栽培していたものが始まりとされる、京野菜の漬物「すぐき漬け」の原料となる菜を何といいますか。
(3) すぐき漬けの製造工程で、二斗樽で塩漬けにしたすぐき菜を室に入れ、適度の重みをかけて発酵を促すために使われる方法は、一般に何と呼ばれていますか。
(4) 下鳥羽あたりで栽培されていた丸ナスが改良され、後に産地が移った上賀茂の地名にちなんで名付けられた大形の球形をした京野菜を何といいますか。
(5) 伏見稲荷大社が造営されたころに浪速からもたらされ、土地の肥えた京都南部が栽培に適していたとされる、青ネギの代表的な品種を何といいますか。
(6) 江戸時代の後期に壬生辺りで栽培が始まった、水菜の変種であり、かすかに辛子の香りを持つとされる京野菜を何といいますか。
(7) 享保年間、聖護院に住んでいた伊勢屋利八という人が近江かぶの種子を移植・栽培したのが始まりとされる、国産では最大のかぶを何といいますか。
(8) 聖護院かぶを原料とする千枚漬けを作る際、かぶを薄くスライスするために用いる、専用の道具を何といいますか。
(9) 文化年間(1804~18)に粟田口の住民が津軽から持ち帰った種が始まりとされる、瓢箪(ひょうたん)形をしている京野菜を何といいますか。
(10) 豊臣秀吉の聚楽第の堀に捨てられた廃棄物の中から根付いたという伝承を持ち、「聚楽牛蒡」の別名があり、内部に空洞があるのが特徴的なゴボウを何といいますか。
☆回答は記事の最後にあります。
京都の歴史とともに育まれてきた「京野菜」は、その土地ならではの気候や文化、食生活の中で改良され、今に伝えられています。京都検定合格を目指す皆さんのために、特に押さえておきたい京野菜のポイントを種類別にまとめました!
🍆なす
- 賀茂なす
- 特徴: 黒紫色で光沢がある大形の球形。丸ナスの代表的品種で皮が柔らかい。
- 調理: 煮物や焼き物に適し、特に田楽は京料理の典型的メニュー。
- 歴史・産地: 下鳥羽あたりで栽培された丸ナスが改良されたもの。江戸時代の産地は鴨東の吉田、聖護院。明治になって上賀茂に移り、「賀茂なす」の名に。
- もぎなす
- 産地: 一乗寺。
- 山科ナス
- 特徴: 京の伝統野菜。
- 歴史: 栽培量が減少し、有志によって種子保存の努力が行われている。
🥬漬物に使われる京野菜
- すぐき菜
- 用途: すぐき漬けの原料(酸茎葉)。
- 特徴: かぶの変種で紡錘形をしている。
- 歴史: 上賀茂神社の神官が邸内で栽培していたものが始まり。明治になってから商品としての栽培が盛んに。
- すぐき漬け: 一昼夜の岩塩での荒漬け、洗い、本漬け。二斗樽で塩漬けにし、室でてんびん押し(適度の重みをかけて)発酵させることで約1週間で完成する。上賀茂の冬の風物詩。
- 聖護院かぶ
- 特徴: 京都特産。国産では最大のかぶ。
- 歴史: 享保年間(1716~36)、聖護院に住んでいた伊勢屋利八が近江かぶの種子を移植・栽培したのが始まり。
- 千枚漬け: かぶの皮を厚く剥き、専用の鉋(かんな)で薄くスライス。塩と重ねて下漬けし、水気を切って昆布と砂糖で本漬けする(昆布は酢に漬けてから使うのがポイント)。
- 壬生菜(みぶな)
- 特徴: 江戸時代後期に壬生の辺りで栽培が始まった水菜の変種。葉に切れ込みがなく、卵型の細長い形。根元から多数の葉が叢生(そうせい)し大きな株になる。かすかに辛子の香り。
- 歴史: 明治期には「真正壬生菜」が東京に大量に出荷。現在は上鳥羽産の九条早生の種が主流。
🌶とうがらし
- 山科とうがらし
- 分類: 現存する伝統野菜。
- 田中とうがらし
- 特徴: 太く短い形。辛味はほとんどない。
- 歴史: 明治初めごろに左京区田中村で栽培。現在の「ししとう」は田中とうがらしの系統。
- 伏見とうがらし
- 分類: 現存する伝統野菜。ブランド京野菜。「青と」が略称。
- 特徴: 細く長い形をしている。
- 万願寺とうがらし
- 分類: 伝統野菜に準じる。ブランド京野菜。
- 産地: 舞鶴市を主な産地とする。

🧅その他
- 九条ネギ
- 特徴: 青い部分が長くて太く、柔らかい。青ネギの代表的な品種。
- 歴史: 伏見稲荷大社が造営されたころ、浪速からもたらされた。
- 産地: 昔は東西の九条が中心地。現在は上鳥羽に。
- えびいも
- 分類: 里芋の一種で煮ものに適する。
- 特徴: エビの形に似て曲がっている。
- 歴史: 安永年間(1772~81)、祇園の「いもぼう」の先祖が、青蓮院の門主から栽培を頼まれた唐の芋が始まり。
- 鹿ケ谷かぼちゃ
- 特徴: 瓢箪形。
- 歴史: 文化年間(1804~18)、粟田口の住民が津軽から持ち帰り、鹿ケ谷の農家に贈呈したのが始まり。
- 桂ウリ
- 別名: 昔は越瓜、京都では白瓜。
- 特徴: 特に品質上等のものが桂で栽培された。
- 用途: 奈良漬の材料に欠かせない。
- 堀川ごぼう
- 別名: 聚楽牛蒡(ごぼう)。
- 特徴: 直径7~10cm、長さ1mと大きい。内部に空洞があり、柔らかい肉質。空洞に肉などを詰めて調理される。
- 歴史: 豊臣秀吉の聚楽第が破壊された後、堀に捨てられた廃棄物の中からゴボウが根付いたのが始まりとされる。

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(1) えびいも
(2) すぐき菜(すぐき)
(3) てんびん押し
(4) 賀茂なす
(5) 九条ネギ
(6) 壬生菜(みぶな)
(7) 聖護院かぶ
(8) 鉋(かんな)
(9) 鹿ケ谷かぼちゃ
(10) 堀川ごぼう


