#859 mission055 【入院・隔離・面会】転倒から始まった父の入院生活とようやく叶った再会までの10日間【介護振り返りnote】
2024年3月6日――
父がサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)に入居してからわずか10日後、転倒による救急搬送と入院。そしてコロナ陽性により部屋での隔離を経て、ようやく面会が叶いました。
このわずか10日間の間に、僕たち家族には想像以上に多くの出来事が起こりました。
入院中の父に起きた変化
まず、母の一時的な「脱走」と左肩の亀裂骨折といった大きなトラブルがありましたが、父の入院生活もまた大変なものでした。
入院直後から父に見られたのは:
- 精神的ショックによる混乱
- コロナによる隔離生活の孤独感(自分がどこにいるのかもわからない状態)
- 長年続けていた飲酒を断たれたことによるアルコールの離脱症状
こうした要因が重なり、看護師の介助を拒否したり、暴言を吐いたり、食事を受け付けなくなったりといった行動が見られ、病院からの連絡が毎日のように入るようになりました。
具体的には:
- 許可のもと設置されたベッドの柵を自ら外し床に座り込む
- センサーを設置しての徘徊防止
- 「今日退院する」と自分で着替え始める
- 介助用の紙おむつを自分で脱ぐ
- 食事をほとんど摂らなくなり、点滴での栄養補給に切り替え
- 最終的には“つなぎの服”を着用するように
日に日に状態が悪化していく父の様子に不安を感じ、いつも相談しているシニア住宅紹介の専門家「お助けマン」さんに連絡すると、「それはかなり厳しい状況ですね」とのこと。
おそらく退院できても、元のサ高住には戻れないだろうと…。
介護施設?精神科病院?迫られる次の選択肢
このままでは受け入れ先を再検討せざるを得ない。
特に「食事を受け付けない」「つなぎの服が必要な状態」というのは、介護施設の中でも対応できる場所が限られる要因になります。
このまま暴言が続く、あるいは暴力的な行動が出れば、「介護老人保健施設(老健)」よりも、精神科病院への入所が現実味を帯びてくるという話も出てきました。
僕自身、息子として感じていたのは、転倒による怪我はもう治っているものの、入院と環境の変化による精神的ダメージ、そしてアルコール断ちが大きく影響しているのでは、ということ。
しかし、隔離され面会もできない状況では、父自身に立ち直ってもらうしかありません。
面会を前に――切なさと不安が入り混じる心境
父のスマホは、サ高住に置きっぱなしだったものを後日病院に届けましたが、今の精神状態では誰彼構わず電話をかけて混乱を広げてしまう恐れがあるということで、病室の引き出しにしまって電源を切ってもらう対応となりました。
身体拘束と監視下での生活。父にとって、どれほど苦しい状況だろう――そう思うと心が痛みました。
面会に向かう新幹線の車中、父と以前のような会話ができるのか、心配と寂しさが入り混じります。
「どうしてこんなところに入れた」「家に帰る」「介護なんて必要ない」
そんな言葉が飛び出すのでは…と思いを巡らせながら、僕は面会の時を迎えるのでした。
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