🏯【京都の歴史散策】足利将軍家が残した足跡を辿る!名刹・文化を生んだ3人の功績
京都の歴史を形作った足利将軍家。初代尊氏が後醍醐天皇の供養に天龍寺を、三代義満が将軍家の威信をかけて相国寺を、そして八代義政が動乱の中で銀閣寺を生み出しました。これから京都の歴史を学ぶ方へ、将軍たちが残した名刹と文化の足跡を辿ります。
この記事内容から抜粋した練習問題5問☆
- 足利尊氏が、後醍醐天皇の冥福を祈る菩提寺の開創を進言した禅僧の名前は何ですか。
- 足利尊氏が天龍寺の造営費用を調達するために、元(中国)との貿易に就航させた船の名前は何ですか。
- 三代将軍・足利義満が、永徳2年(1382年)に足利氏の菩提寺として創建に着手した京都の寺院の名前は何ですか。
- 八代将軍・足利義政の正室で、後継者争いや山荘造営の時期に政治的な実権を握った女性の名前は何ですか。
- 応仁・文明の乱の後、足利義政が東山・浄土寺の跡地に造営し、死後に遺命によって寺院(慈照寺)となった山荘の名前は何ですか。
☆回答は記事の最後にあります。
目次
はじめに:京都と足利将軍家の深い絆
京都は、室町幕府が置かれた地として、足利氏と切っても切れない関係にあります。将軍たちが信仰心や政治的思惑、あるいは文化への傾倒から建てた寺院や山荘は、今の京都の景色や文化の根幹となっています。
今回は、特に京都の歴史に大きな影響を与えた3人の足利将軍、足利尊氏、足利義満、そして足利義政が、京都に何を残したのかを辿ります。
① 足利尊氏:国家安泰と平和への願いを込めた名刹「天龍寺」
室町幕府を開いた初代将軍・足利尊氏が京都に残した最大の功績の一つが天龍寺です。
- 建立の背景: 尊氏は、敵対関係にあった後醍醐天皇が暦応2年(1339年)に崩御した後、その冥福を祈るために菩提寺の建立を決意します。これは、禅僧・**夢窓疎石(むそうそせき)**の進言によるものでした。
- 寺院名と開創: こうして開創されたのが、京都五山の一つである天龍寺です。
- 異例の造営資金調達: 天龍寺の造営には巨額の費用が必要でした。周防(すおう)と安芸(あき)の公領からの収入だけでは賄いきれなかったため、尊氏は異例の措置をとります。
- **天龍寺船(天龍寺造営料唐船)**という貿易船を元(中国)へ就航させました。
- 博多商人の**至本(しほん)**に貿易の管理を一切委ね、利潤の有無にかかわらず銭5000貫を造営費用として納入させました。
② 足利義満:将軍家の威信と京都五山を確立した「相国寺」
三代将軍・足利義満は、室町幕府の全盛期を築いた人物として知られ、金閣寺(鹿苑寺)を建立したことでも有名ですが、足利氏の菩提寺として重要な寺院も創建しました。
- 創建: 永徳2年(1382年)、義満は足利氏の菩提寺として、**相国寺(しょうこくじ)**の創建に着手しました。
- 補足: 義満は、相国寺の創建と並行して、京都五山(天龍寺、相国寺、建仁寺、東福寺、万寿寺)の制度を整え、禅宗寺院を支配下に置くことで、将軍の権威を高めました。
③ 足利義政:動乱の中で生まれた日本の美の原点「慈照寺(銀閣寺)」
八代将軍・足利義政は、応仁の乱という大動乱の最中にありながらも、後の日本文化に決定的な影響を与える建造物を京都に残しました。
- 将軍職からの引退と信仰: 義政は、早期の隠居を望んでおり、特に阿弥陀信仰への傾倒が深かったと言われています(義政は禅宗より浄土宗などの阿弥陀信仰に惹かれていたのが特徴です)。
- 後継者争いと応仁の乱: 妻・富子(とみこ)との間に生まれた子・義尚(よしひさ)と、弟・義視(よしみ)との後継者争いが、あの応仁・文明の乱を引き起こす引き金の一つとなりました。
- 山荘の造営: 文明5年(1473年)に義尚に将軍職を譲り、政治的な実権は妻の富子が握る中で、義政は山荘造営に集中します。
- 乱が収まった後、東山・浄土寺の跡地に**山荘・東山殿(ひがしやまどの)**を造営しました。
- 東山殿から寺院へ: 義政の死後、遺命によってこの山荘は寺となり、慈照寺(じしょうじ)となりました。一般には銀閣寺の名で親しまれ、東山文化の象徴とされています。

まとめ:足利氏の遺産を巡る
足利氏の将軍たちが残した天龍寺、相国寺、そして慈照寺(銀閣寺)は、それぞれが異なる歴史的背景と信仰心から建てられました。これらの場所を訪れることは、京都の歴史を肌で感じ、室町時代の将軍たちの「夢」や「苦悩」に思いを馳せる素晴らしい機会になるはずです。
京都散策の際には、ぜひ足利将軍家の足跡を辿ってみてください!

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前述の練習問題の解答☆
- 夢窓疎石(むそうそせき)
- 天龍寺船(または天龍寺造営料唐船)
- 相国寺(しょうこくじ)
- 富子(とみこ)
- 東山殿(ひがしやまどの)


