🎨 仏像の魅力に迫る!京都を彩る主要な「本尊」とその役割#1059
京都の寺院巡りが格段に面白くなる!本堂で出迎えてくれる本尊(仏像)の役割やルーツを知ると、その寺院の歴史やご利益の背景が見えてきます。この記事では、阿弥陀、釈迦、大日、薬師の主要な「如来」について、その信仰の歴史や特徴をわかりやすく解説します。
この記事内容から抜粋した練習問題5問☆
- 阿弥陀如来の信仰が、平安時代中期に貴族や庶民の間で強く広まるきっかけとなった、源信が著した書物の名称を漢字で答えなさい。
- 「宇宙の真理そのもの」とされ、密教の中心本尊である仏様を何と呼びますか。
- 釈迦如来の仏像以外で、宝冠や瓔珞(ようらく)などの華やかな装飾品を身につけた姿で表される「如来」は、何如来ですか。
- 薬師如来が持つ、心身の病を癒す働きからつけられた、別名(尊称)を漢字で答えなさい。
- 薬師如来像の左右に脇侍として配される二体の菩薩は、日光菩薩と何菩薩ですか。
☆回答は記事の最後にあります。
京都の寺院を巡る際、本堂の中心に安置されている**本尊(ほんぞん)**の役割やルーツを知ると、拝観が何倍も深まります。この記事では、数ある仏様の中でも特に京都の主要な寺院で多く見られる、代表的な「如来」(悟りを開いた仏様)のルーツと、その信仰の特徴をご紹介します。
目次
阿弥陀如来(あみだにょらい)
💡 西方極楽浄土の主宰者
- 特徴と役割:
- 西方にある**極楽浄土(ごくらくじょうど)**を主宰する仏様です。
- 全ての人々を救済するために48の願いを立てた(四十八願)とされ、その慈悲深さから広く信仰を集めています。
- 信仰の歴史:
- 平安時代中期、寛和元年(985年)に源信(げんしん)が『往生要集(おうじょうようしゅう)』を著したことをきっかけに、阿弥陀如来の浄土への往生(極楽に生まれること)を願う浄土信仰が貴族から庶民まで強く広まりました。
- 主な安置寺院(例): 平等院、知恩院、西本願寺など(浄土系宗派の総本山・大本山)
釈迦如来(しゃかにょらい)
💡 仏教の開祖、永遠の覚者
- 特徴と役割:
- 仏教の開祖であるガウタマ・シッダルタの悟りを開いた姿であり、**釈迦牟尼(しゃかむに)**とも呼ばれます。
- 「如来」とは、悟りの真理に到達した者を指し、釈迦如来は多くの仏教経典で**救主(くしゅ)**とされています。
- 単に歴史上の人物ではなく、**永遠の覚者(かくしゃ)**として崇敬されています。
- 主な安置寺院(例): 清凉寺(国宝の「生身の釈迦」像)、泉涌寺など
大日如来(だいにちにょらい)
💡 密教の最高位、宇宙の真理そのもの
- 特徴と役割:
- **密教(みっきょう)**において、中心となる最高の本尊です。
- その名は、サンスクリット語の「摩訶毘盧遮那仏(まかびるしゃなぶつ)」(偉大なる遍く照らす仏)を意訳したものです。
- 単なる仏というより、宇宙の真理そのものを象徴しているとされます。
- 一般的な如来像と異なり、宝冠や瓔珞(ようらく)などの華やかな装飾品を身につけた菩薩形で表されるのが特徴です。
- 主な安置寺院(例): 東寺(教王護国寺)、仁和寺など(真言宗系の寺院)
薬師如来(やくしにょらい)
💡 心身の病を癒す「医王仏」
- 特徴と役割:
- 本来は**薬師瑠璃(るり)光如来(やくしるりこうにょらい)**といい、「薬師如来」は略語です。
- 人々の心身の病を癒し、苦悩を取り除くという誓願を持ち、「医王仏(いおうぶつ)」とも呼ばれています。
- 造立のきっかけ:
- 薬師如来が日本で大寺院の本尊として崇敬されるようになったきっかけは、天武天皇が皇后(後の持統天皇)の病気の平癒を祈って、薬師如来像の造立を発願したことだとされています。
- 仏像の姿と眷属(けんぞく):
- 左手に薬壺(やっこ)、右手は施無畏印(せむいいん)(人々の畏れを取り除く印相)とする像が多く見られます。
- 脇には日光菩薩と月光菩薩の二菩薩(脇侍)が配されます。
- **十二神将(じゅうにしんしょう)**と呼ばれる方位と時間を正しく保つ12の守護神を眷属として従えます。
- 主な安置寺院(例): 醍醐寺、神護寺など(特に奈良時代に創建された大寺院で中心となることが多い)
📌 本尊を知れば、寺院の「ご利益」もわかる
いかがでしたか?
それぞれの如来様が持つ役割や来歴を知ることで、なぜその寺院が建てられたのか、参拝者は何を求めてきたのか、という背景が見えてきます。ぜひ、京都の寺院を訪れる際は、本尊の表情や持ち物、そして左右の脇侍にも注目してみてください。

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前述の練習問題の解答☆
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