亡き叔父から母が相続した不動産、ついに最終処理へ #901 介護振り返りnote097
以前のブログでも少し触れましたが、僕の母が亡くなった兄、つまり僕の叔父から相続していた不動産について、いよいよ最終的な処分が完了しました。
今回はその中でも、滋賀県東近江市にあった2つの土地について詳しく書いていきます。

東近江市にあった2つの土地の概要
母が相続していた土地は、滋賀県東近江市に隣接して存在する2筆の不動産でした。
① 地目「山林」:135㎡
こちらは母が所有権を持つ土地で、登記上は「山林」とされています。
実際に現地を見に行きましたが、はっきりとした境界線もなく、どこからどこまでが該当するのかも不明な状態でした。
② 地目「田」:409㎡
もう一方は登記上「田」とされている土地。
しかし現地では田んぼとして使用されている形跡はなく、耕作もされていませんでした。
この土地には「所有権移転仮登記」が残っており、つまり過去に売買予約がなされた状態のまま、登記が完了していない状況だったのです。
昭和50年当時の原野商法の名残だった?
残っている資料や司法書士さんとの相談から分かってきたのは、以下のような経緯です。
- 叔父がこの2つの土地を取得したのは昭和50年(1975年)。
- 当時、この地域は住宅開発地として分譲されていたようで、2筆あわせて約545㎡という広さが、複数の宅地として販売対象になっていた模様。
- 地目が山林の土地はすぐに名義変更できたが、地目が田の方は農地法の関係で即時の所有権移転ができず、「所有権移転予約」という仮登記のままになっていた。
- これら一連の流れは、1970年代に多く見られた原野商法——つまり「将来開発されるから今のうちに買えばお得ですよ」といった詐欺的商法の一種だった可能性が高いようです。
税金も通知も来ないまま、母が15年近く保有
この2筆の土地はいずれも未活用状態で、固定資産税もほとんど課税されておらず(名寄帳や公課証明で確認済み)、市からの通知も来ない状態でした。
母は叔父からの相続でこれらを引き継いだものの、特に利用もせず、気づけば15年近く放置されていたというわけです。
母の認知症進行をきっかけに整理へ
ここにきて母の高齢化と認知症の進行が見られるようになり、僕が相続や資産管理の窓口を引き継ぐことに。
その過程でこの不動産が見つかり、「このタイミングで何とかしておこう」と動き出しました。
実際に行った土地処分の手続き
2025年春、まだ母に判断能力があるうちに、動ける手続きを進めました。
① 仮登記状態の「田」の処理
まずは、所有権移転仮登記が残っていた「田」の土地から。
これは、「売買予約を取り消して仮登記を抹消」すればよいということで、司法書士さんに依頼。
母と司法書士さんとの面談を経て必要書類を準備し、現在の仮登記名義人にも一報を入れてもらいました。
およそ2週間程度で仮登記の抹消手続きが完了しました。
② 所有権を持つ「山林」の処分方法を検討
本当に困ったのは、母が完全に所有している「山林」の方でした。
何せ境界も不明で価値もほぼゼロに近く、「売る」というのは非現実的。
そこで現実的に考えられる選択肢は以下の3つ。
- 従前の仮登記所有者に戻す(譲渡)
→ 現地調査時に、その意志がないことは確認済み。 - 自治体や国に引き取ってもらう
→ 自治体による引き取りや、国庫帰属制度(2023年施行)を活用する方法。 - 不要不動産引取り業者に依頼する
→ 処分費用はかかるが、手間を減らすことが可能。
現在はこの2と3のどちらかで、もっとも現実的で安全な方法を選び、処理を進めているところです。
まとめ:不要不動産は「見つけたら早めに動く」が吉
今回の件で感じたのは、「相続している不動産が使われていない=価値がないとは限らない」ということ。
逆に言えば、「価値がなくて処分できない不動産」も、放っておくと後々大きな負担になります。
特に高齢の親が所有している土地は、今のうちに調査・整理を進めておくと、将来的に自分たちの負担を減らせます。
僕自身、今回のような相続不動産の処分は初めてでしたが、司法書士さんの力を借りつつ、少しずつ前に進めています。
同じような状況で悩んでいる方の参考になれば嬉しいです。
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