#051 母から引き継いだ廃屋だった長屋の1件を売却できた話し<前編>
m3-f blogブログです。
今回は、高齢になって管理がままならなくなった母の所有不動産を引き継いで売却に至ったお話です。
相続したけど、所有したけどどうにか手放してしまいたい、そんな不動産をお持ちの方には一考になるかもしれません。
・相続した不動産の管理や売買を検討されている方
・高齢の親御様等、物忘れが多くなってきている方とのやり取りで困られている方
・京都府下の廃屋、古くなった不動産の管理や、手放すことを考えられている方
母が兄から相続して13年間無管理だった建物
場所は、京都府京都市の山科区。
京都市内で不動産、ということなので持ってても価値がありそうな、そんな気もぱっと見はするのですが。
「こんな建物を持ってて毎年税金(固定資産税&都市計画税)は払ってる」
と、もう80歳になる母から話を聞いたのは昨年(2020年)でした。
もともとは2007年に亡くなった、母の兄が持っていた不動産。
急死だったので、そこで母が相続して今に至る。
さっそく見に行ってみると、
・6件棟続きの、長屋の1軒であること
・駐車スペースなどない
・公道には面していない
登記上の確認をすると、土地の面積が24.1㎡、建物の面積が1階15.6㎡・2階18.5㎡、でした。
糖本上は昭和54年からの情報しか確認できなかったのですが、それでも、もう築年数40年以上になってる建物です。
母が所有している1軒のほかのお家には、皆さんお住まいになられて生活されていました。
僕の母は、物忘れも多くなってきていて、なかなかこういう不動産の管理がままならず、無管理で、税金を毎年払ってる状況なだけのようでした。
そして何より、兄が亡くなって相続をしてから延べ13年、まったく手つかずの無管理だったのです。
自分が代表を務めている会社名義で売買契約する
お世話になっている東京の司法書士の先生にお願いして、結果的には、
2021年3月17日
付で、母から、僕が代表を務めている合同会社名義へ所有権移転、売買契約をしました。
生前贈与などではなく売買契約にしたのは税務上の利点があったからなんですが、それはいいとして。
この契約と登記に関する一連の流れで問題だったのは、本来所有者である母が管理しているべき「登記識別情報」(権利書に代わるもの)がないのです!
僕も住まいを所有していて、確かに言われるまでしっかり管理できているか少し不安にはなったのですが、登記識別情報、めちゃくちゃ大事な書類なので、皆さん今一度ちゃんとあるか確認してみましょう。
この場合は、書類だけのやり取りではできず、司法書士が対面で確認して契約・委任の手続きをして、登記に持ち込まないといけない。
本人確認で印鑑証明・マイナンバーカードや年金手帳(今回は年金手帳でいきました)が必要になります。
買主である僕の会社側の必要なものは、印鑑・印鑑証明書で、こちらは問題なく用意できました。
実際には母の状態(物の管理や書類手続き)が思ったより良くなく、ほぼ僕が東京から京都に出向いて、付き添いながら、一つ一つ確認していきました。
そして登記官から、申請された登記が真実であるかどうかの確認書類のやり取りというのがあって、本人特定郵便で送られてきて、本人の署名と捺印をして2週間以内に返送しないといけない、という最終確認もありました。
・本人特定郵便の通知の書類がポストに届く
・本人確認の証明書を持って(今回は保険証でいきました)、郵便局で受け取る
・署名捺印
・返送(法務局持ち込みでもよい)
という流れなのですが、母では意味不明なので、すべて付き添って動きました。
というわけで、なんとか登記はできて所有権移転完了。
3月30日に登記完了の報告を、司法書士の先生から頂きました。
↑土地の登記と家屋(建物)の登記の2本の、登記識別情報ができ、所有権移転完了です。
前編のまとめと、続きへ
という、まず今回の前編では、母からの所有権移転のところまでの話でしたが、もちろんもっと若くて健常だったころの母とのやり取りなら少しスムーズにいったのかなと思いますが、高齢になった親とのやり取りだと、事前に準備・確認しておくものがたくさんあるな、と感じた次第でした。こと不動産の取引についても、
・登記識別情報(権利書に代わるもの)の存在
・身分証明書(マイナンバーカードや年金手帳)
・印鑑証明書
・登録印鑑そのもの
このあたりがちゃんとあるか、たぶん今後不動産だけではないいろんな手続きややり取りも出てきそうなので、子としても心づもりと準備をしておくべきですね。
次回は、この不動産を売却した時の話を書いていきます。