第136回 父を見送る百日間の記録。京都での法要と相続手続き、そして母とのこれから#1197
2025年末にこの世を去った父。昭和・平成・令和を駆け抜けた父の最期を見送り、四十九日や百か日といった法要、そして避けては通れない相続手続きに奔走した日々を振り返ります。介護生活を経て感じた「家族の絆」と、これから一人で暮らす母への想いを綴りました。

父の旅立ちと「丁寧な法要」へのこだわり
2025年12月8日、父が91歳(数え年92歳)でその生涯を閉じました。昭和9年に生まれ、令和の終わりまで懸命に生きた、実に見事な人生だったと思います。
葬儀を終えた後の法要については、父と親交の深かった菩提寺の住職によるご配慮もあり、最近の簡略化された流れとは一線を画し、一つひとつを「しっかり」と執り行うことになりました。
- 初七日: 葬儀当日に済ませる「繰り上げ初七日」ではなく、正式な日に改めてお寺で実施。
- 四十九日: 納骨はあえて行わず、法要のみを厳格に執り行いました。
- 百か日: 2026年3月16日、この節目に納骨を行う計画を立てました。
父は最晩年の2年間を施設で過ごしていました。そのため、「せめてお骨になって帰ってきた後は、住み慣れた実家の仏壇で少しでも長く過ごさせてあげたい」という周囲の温かい想いがあったのです。2026年の幕開け、父のお骨は実家の仏壇の前で、家族と共に静かな新年を迎えました。
避けては通れない「相続」と「片付け」の現実
悲しみに浸る間もなく、現実的な手続きが動き出しました。死亡診断書の提出以降、僕が取り組んだ主なタスクは以下の通りです。
- 不動産相続の着手: 司法書士に依頼し、まずは実家の土地・建物の名義変更からスタートしました。
- 銀行手続き: 法定相続情報一覧図を作成し、各金融機関での手続きを進めました。
- 施設の退去: 父が最期まで暮らしたサ高住(サービス付き高齢者向け住宅)の部屋の片付けと解約。
- 行政・年金手続き: 年金事務所を訪れ、母への遺族年金への切り替え手続きなどを代行。
- デジタル遺品の整理: スマホの解約など。
幸い、実家は数年前に民泊運営(住宅宿泊事業)を検討して片付けを済ませていたため、荷物の整理にさほど苦労はありませんでした。しかし、手続きの一つひとつに父の生きた証が刻まれており、事務的な作業の中にも重みを感じる日々でした。
サ高住の退去立ち合いで蘇る記憶
特に心に迫るものがあったのは、サ高住の部屋の退去立ち合いでした。
空っぽになった部屋を見渡すと、幼い頃に一緒に遊んでくれた元気な「お父さん」の姿と、最晩年に必死に「生きよう」ともがいていた父の姿が交互に脳裏をよぎりました。
僕の役割は、主に日用品の調達とコミュニケーションでした。夏の日差しが照りつける日も、凍えるような冬の日も、トイレットペーパーや紙パンツを抱えてこの建物に通った日々。あの時、重い荷物を持って歩いた道筋や空気感は、今も僕の心に強く焼き付いています。
これからの日々、母を支えていく決意
父が旅立った今、同じサ高住の別室には母が一人で暮らしています。認知症の初期症状が出始めてから早いもので5年。これからは、僕が一人で母を見守っていくことになります。
慌ただしく過ぎ去った百日間でしたが、父を丁寧に見送ることができたのは、僕にとっても心の整理をつける大切な時間でした。父が守り抜いた家族の形を大切にしながら、母には一日でも長く、穏やかで元気に過ごしてほしいと心から願うのでした。

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