【京都検定備忘録】平安のルールブック「延喜式」と律令制度の流れをマスターする#1160
京都検定合格を目指すなら避けて通れない「延喜式(えんぎしき)」。平安中期のルールブックとも言えるこの法典は、律令制度の集大成です。本記事では、意外と混同しやすい「律・令・格・式」の違いから、編纂に携わった重要人物、そして試験に出やすいポイントまでを分かりやすく整理しました。自身の備忘録として、またこれから受験する方のガイドとして、要点をギュッと凝縮して解説します。
- 律令格式のうち、律令の規定を補足・修正するための「追加の法令」のことを何と呼ぶか?
- 延喜5年(905年)、醍醐天皇から「延喜式」の編纂を命じられた人物は誰か?
- 弘仁・貞観・延喜の三代の「格」を分類・整理し、平安中期にまとめられた法令集を何というか?
- 日本初の本格的な律令である「大宝律令」が制定されたのは西暦何年か?
- 「延喜式」の第9巻・第10巻に記載されている神社一覧のことを何と呼ぶか?
☆回答は記事の最後にあります。
京都の歴史を深掘りする上で避けて通れないのが、平安中期の法典**「延喜式(えんぎしき)」**です。今回は、試験に出やすいポイントを中心に、律令制度の変遷を整理しました。
1. そもそも「律令格式」とは何か?
日本の古代国家を支えた法律体系は、大きく4つの要素に分けられます。まずはこの用語の定義を正確に覚えましょう。
- 律(りつ): 現代でいう「刑法」。犯罪と罰則を定めたもの。
- 令(りょう): 現代でいう「行政法・民法」。政治の仕組みや人々の義務を定めたもの。
- 格(きゃく): 律令を補足・修正するための「追加の法令」。
- 式(しき): 律令を実際に運用するための「施行細則」。具体的な事務手続きなどが記されています。
2. 延喜式への道のり:三代格式の編纂
平安時代には、時代の変化に合わせて「格」と「式」の編纂が3回行われました。これを**「三代格式(さんだいきゃくしき)」**と呼びます。
① 弘仁格式(こうにんきゃくしき)
- 時期: 弘仁11年(820年)
- 中心人物: 嵯峨天皇の命により編纂。
② 貞観格式(じょうがんきゃくしき)
- 時期: 貞観年間(859〜877年)
- 中心人物: 清和天皇の時代。
③ 延喜式(えんぎしき)
- 命令: 延喜5年(905年)、醍醐天皇が藤原時平らに編纂を命じました。
- 完成と施行: 完成までに約20年(927年完成)、さらに実際に施行されるまでには計40年(967年施行)もの歳月を要しました。
【重要チェック!】類聚三代格(るいじゅうさんだいきゃく)
弘仁・貞観・延喜の三代の「格」を分類・整理した法令集のこと。平安中期にまとめられました。式ではなく「格」のまとめである点に注意!
3. 延喜式より前の「律令」の歴史
延喜式に至る前、日本には重要な2つの律令がありました。
| 名称 | 制定・施行時期 | 特徴 |
| 大宝律令 | 大宝元年(701年) | 文武天皇の時代に完成した日本初の本格的な律令。 |
| 養老律令 | 天平宝字元年(757年) | 藤原不比等らが編纂。大宝律令を修正したもので、長く日本の基本法となった。 |
※ご自身のメモに「天智天皇の時代に大宝元年に」とありましたが、正確には文武天皇の時代です。天智天皇の時代には「近江令(おうみりょう)」が有名ですが、日本初の本格的な律令といえば**「大宝律令」**と覚えるのがスムーズです。
4. 京都検定的な「延喜式」の注目ポイント
京都検定の対策として特に重要なのは、延喜式に記された**「神社」**の項目です。
- 延喜式神名帳(じんみょうちょう): 当時「官社」として認められていた全国の神社一覧です。ここに記載されている神社を**「式内社(しきないしゃ)」**と呼び、京都の古い神社の格式を示す際によく登場するキーワードです。
まとめ
- **律(刑法)・令(行政)・格(改正)・式(細則)**の違いを明確にする。
- 延喜式は醍醐天皇の命、藤原時平らが着手した。
- 三代格式(弘仁・貞観・延喜)の流れを押さえる。
これらを整理しておくだけで、平安時代の制度に関する問題はかなり解きやすくなります。一歩ずつ、合格へ向けて知識を積み上げていきましょう!
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- 問1の答え:格(きゃく)
- 解説:律は刑法、令は行政法、式は施行細則です。
- 問2の答え:藤原時平(ふじわらのときひら)
- 解説:菅原道真を太宰府へ左遷した人物としても知られています。
- 問3の答え:類聚三代格(るいじゅうさんだいきゃく)
- 解説:「式」ではなく「格」のまとめである点がひっかけポイントです。
- 問4の答え:701年(大宝元年)
- 解説:文武天皇の時代に完成しました。
- 問5の答え:延喜式神名帳(えんぎしきじんみょうちょう)
- 解説:ここに載っている神社を「式内社」と呼び、京都検定でも頻出の用語です。