【京都検定備忘録】ハイテクの街・京都の礎を築いた「島津源蔵」親子と島津製作所#1152
京都検定の頻出項目であり、近代京都の発展に欠かせない人物「島津源蔵」。仏具職人の家に生まれた初代が、なぜ世界的な精密機器メーカーの礎を築けたのか?京都舎密局での学びや日本初の有人軽気球飛揚、そして「日本の十大発明家」に名を連ねる二代目の功績まで、受験生が押さえておくべき重要ポイントを凝縮して解説します。
この記事内容から抜粋した練習問題5問☆
- 1875年(明治8年)、島津製作所の創業者である初代島津源蔵が店を構えた、高瀬川の水運の拠点でもあった場所はどこか?
- 初代島津源蔵が最新の科学知識を学んだ、1870年(明治3年)に京都に設立された理化学の研究・教育機関の名称は何か?
- 初代島津源蔵が指導を仰いだ人物で、京都の近代産業に貢献した「七宝」や「近代陶磁器」の父としても知られるドイツ人技師は誰か?
- 1877年(明治10年)、初代島津源蔵が京都御苑にて日本で初めて成功させた、科学技術を象徴する出来事は何か?
- 二代目島津源蔵が開発に成功し、現在の「GSユアサ」の社名の由来ともなった製品は何か?
☆回答は記事の最後にあります。
京都といえば伝統工芸のイメージが強いですが、実は世界をリードする精密機器メーカーが集まる「ものづくり都市」でもあります。その先駆けとなったのが、島津製作所の創業者・**島津源蔵(しまづげんぞう)**です。
今回は、京都検定受験者なら押さえておきたい、仏具職人から科学立国を夢見た親子の軌跡をまとめます。
目次
1. 初代島津源蔵:仏具職人から理化学器械の道へ
島津製作所の歴史は、1875年(明治8年)に始まります。創業者の初代源蔵は、もともと「科学者」ではありませんでした。
- 出自と独立: 堀川六条(醒ヶ井魚棚)の仏具鋳物職人の次男として生まれました。21歳で分家独立し、木屋町二条に店を構えます。ここは当時、高瀬川の水運を利用した流通の拠点でした。
- 転機となった「京都舎密局」: 店のすぐそばに、理化学の研究・教育機関である**京都舎密局(きょうとしぇみきょく/せいみきょく)**が設立されます。「舎密」とはオランダ語の「Chemie(化学)」の音訳です。
- 科学への情熱: 新しもの好きだった源蔵は、舎密局へ足しげく通い、ドイツ人技師ゴットフリード・ワグネルらから最新の科学知識を吸収します。輸入された理化学器械の修理を引き受けるうちに、「これからは科学の力で日本を興さなければならない(科学立国)」と確信し、理化学器械の製造販売へと転身しました。
2. 日本初の有人軽気球と京都の空
初代源蔵の功績として京都検定でよく問われるのが、**「軽気球(けいききゅう)」**のエピソードです。
- 1877年(明治10年): 京都御苑(当時は京都御幸町・仙洞御所付近)にて、日本初の有人軽気球の飛揚に成功しました。
- わずか1枚の絵図を頼りに作り上げたこの気球は、当時の京都の人々を驚かせ、島津源蔵の名を全国に知らしめることとなりました。
3. 二代目島津源蔵:日本の十大発明家の一人へ
父である初代が55歳で急逝した後、長男の梅次郎が二代目島津源蔵を襲名します。彼は父以上の「発明の天才」でした。
- 蓄電池(GSバッテリー)の開発: 1897年(明治30年)、日本初の蓄電池(鉛蓄電池)の開発に成功。これが現在の「GSユアサ」へとつながる「GS(Genzo Shimadzuの頭文字)」ブランドの由来です。
- 医療への貢献(X線装置): レントゲン博士がX線を発見したわずか1年後、1896年には日本初のX線写真撮影に成功。医療用レントゲン装置の国産化を実現しました。
- 日本の十大発明家: その功績から、エジソンにも例えられ、御木本幸吉や豊田佐吉らと共に「日本の十大発明家」の一人に選ばれています。
4. 京都検定に役立つ関連スポット
実際に足を運んでみると、記憶に定着しやすくなります。
- 島津製作所 創業記念資料館: 木屋町二条にある、創業の地に建つ資料館。明治中期の建物自体が歴史的価値を持ち、初代がワグネルから贈られた旋盤などが展示されています。
- 銅駝美術工芸高等学校(跡地): 京都舎密局があった場所。現在は立て札が残っており、島津源蔵が通った当時の雰囲気を想像できます。
まとめ 「資源の乏しい日本は、科学立国を目指すほかない」という初代の信念は、今も京都の企業精神に息づいています。仏具職人の伝統的な「技能」と、舎密局で得た最新の「知能」が融合したことが、京都の近代化の大きな鍵だったと言えるでしょう。
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前述の練習問題の解答☆
- 木屋町二条
- 京都舎密局(きょうとしぇみきょく/せいみきょく)
- ゴットフリード・ワグネル
- 有人軽気球の飛揚
- 蓄電池(鉛蓄電池)