【京の食文化】平安の昔から愛された「ごぼう」のルーツと、京都が誇る名産地の物語#1131
私たちの食卓に欠かせない「ごぼう」。実は、江戸時代のグルメガイド『本朝食鑑』で「最上の味」と絶賛されたのは京都の産地でした。中央アジアから伝来したごぼうが、どのようにして京都の地で愛されてきたのか。京都検定の備忘録を兼ねて、その知られざる歴史とルーツを紐解きます。
問1: ごぼうは植物学上、何科に属する植物ですか?
問2: ごぼうの原産地はどこですか?
問3: 江戸時代に編纂された食物百科事典で、各地のごぼうの品質についても記されている書物は何ですか?
問4: 問3の書物において、ごぼうの「最上の味」の産地として挙げられている京都の地名を2か所答えてください。
問5: 問3の書物において、関東で良質とされた産地は岩槻とどこですか?
☆回答は記事の最後にあります。
「ごぼう」と聞くと、きんぴらや煮物など、日本の食卓には欠かせないお馴染みの野菜ですよね。しかし、そのルーツや、かつて京都が「日本一のごぼうの産地」として名を馳せていたことは意外と知られていません。
今回は、京都検定の備忘録も兼ねて、知ればもっと美味しくなる「京都のごぼう」のお話を紐解いていきます。
1. ごぼうのルーツ:中央アジアから海を越えて
今でこそ日本の野菜というイメージが強いごぼうですが、実は中央アジアが原産のキク科の植物です。
日本へは、古代に中国から伝来したと言われています。当初は食用というよりも「薬用」としての側面が強かったようですが、長い年月をかけて日本独自の食文化として定着していきました。ちなみに、ごぼうを日常的に食べる文化を持っているのは、世界でも日本や韓国など一部の地域だけという、実はとてもユニークな存在なのです。
2. 江戸時代のグルメガイド『本朝食鑑』に見る京都の評価
元禄時代に編纂された食物百科事典**『本朝食鑑(ほんちょうしょっかん)』**には、当時の各地の産物についての評価が記されています。そこには、ごぼうについて興味深い一節があります。
京都の「鞍馬」と「八幡」がツートップ
この書物によると、当時**「最上の味」**と絶賛されていたのが、京都の以下の2カ所の地名です。
- 鞍馬(くらま): 京都市左京区。山深い場所で育つごぼうは、香りが高いことで知られていました。
- 八幡(やわた): 京都府南部。木津川、淀川などの河川に囲まれた肥沃な土壌が、良質なごぼうを育みました。
当時から京都は、質・味ともに最高級のごぼうを育む「美食の街」だったことが伺えます。
3. 東のライバル?関東の有名産地
『本朝食鑑』には、京都の他にも優れた産地が挙げられています。関東地方では、以下の2カ所が良質なごぼうの産地として肩を並べていました。
- 忍(おし): 現在の埼玉県行田市付近。
- 岩槻(いわつき): 現在の埼玉県さいたま市岩槻区。
東西で競い合うようにして、日本のごぼう文化は発展してきたのですね。
まとめ:京都の歴史をひと口噛みしめる
今では「京野菜」といえば、堀川ごぼうなどの特殊な栽培法を用いたものも有名ですが、その根底には鞍馬や八幡といった歴史ある産地の土壌がありました。
次に食卓でごぼうを見かけたときは、はるか中央アジアから中国を経て、京都の地で「最上の味」へと磨き上げられた歴史に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
編集後記(京都検定メモ)
今回のポイントは以下の3点!
- 原産:中央アジア(キク科)
- 文献:『本朝食鑑』
- 名産:京都は鞍馬・八幡、関東は忍・岩槻

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答1: キク科
答2: 中央アジア
答3: 本朝食鑑(ほんちょうしょっかん)
答4: 鞍馬(くらま)、八幡(やわた)
答5: 忍(おし)
