【京都・平家物語の足跡】三十三間堂のルーツを辿る、平家一門の物語#1116

京都の街に今も残る、平家一門の足跡。私たちが親しんでいる「三十三間堂」は、実は平忠盛・清盛親子が上皇への深い信仰心と一門の栄華を込めて築き上げたものでした。本記事では、清盛や忠盛をはじめ、京都にゆかりの深い平家の人物たちを整理。彼らが建立した荘厳な寺院の歴史とともに、京都を歩くのがもっと楽しくなる平家物語の背景を紐解きます。

この記事内容から抜粋した練習問題5問☆
  1. 平忠盛が鳥羽上皇のために建立し、1001体の観音像を安置した、三十三間堂のモデルともいえる寺院の名前は何ですか?
  2. 平清盛が後白河上皇の院御所である法住寺殿に建立し、現在も「三十三間堂」として知られるお堂の正式名称は何ですか?
  3. 平清盛の長男で、邸宅の場所から「小松殿」と呼ばれた人物は誰ですか?
  4. 平清盛の父で、西国の海賊鎮撫に功績を挙げ、白河上皇の院殿上人となった人物は誰ですか?
  5. 平清盛の三男で、父の死後に一門の総帥となった人物は誰ですか?

☆回答は記事の最後にあります。

平安末期、京都の街に栄華を極めた平家一門。彼らは武士としてだけでなく、上皇への篤い信仰心を通じて、現代の私たちが目にする京都の景観に大きな影響を与えました。今回は、京都にゆかりの深い平家の人物たちと、彼らが建立した荘厳な伽藍(がらん)についてご紹介します。

平忠盛:一門繁栄の礎を築き「初代」三十三間堂を建てた父

清盛の父である平忠盛は、若くして大国の受領(ずりょう)を歴任し、白河上皇の院殿上人にまで登り詰めた人物です。彼の功績は、京都の東山エリアに色濃く遺されています。

  • 得長寿院(とくちょうじゅいん)の建立 忠盛は、鳥羽上皇のために白河南殿の東に「得長寿院」を建立しました。堂内には等身大の観音像1001体を安置し、中央に丈六の本尊を置くという、当時としては破格のスケールでした。
  • 「三十三間」の始まり このお堂の柱間が33あったことから、後に「三十三間堂」と呼ばれるようになります。残念ながら地震で倒壊してしまいましたが、この形式が息子の清盛へと引き継がれていくことになります。

平清盛:父の意志を継ぎ、現代に続く「三十三間堂」を寄進

平家一門の全盛期を築いた平清盛。彼は父・忠盛が建てた「得長寿院」になぞらえ、後白河上皇のために新たな祈りの場を設けます。

  • 蓮華王院(三十三間堂)の誕生 長寛2年(1164)、院御所である法住寺殿に観音堂を建立しました。これがいま私たちが目にしている**蓮華王院(三十三間堂)**です。
  • 圧倒的な千手観音の世界 内陣の柱間を33とし、中尊の千手観音坐像を囲むように、1000体の等身観音立像を納めました。父の得長寿院のスタイルを忠実に再現し、上皇への忠誠と一門の安泰を祈ったのです。

平重盛:清盛の長男、冷静沈着な「小松殿」

清盛の長男である平重盛は、父とは対照的に温厚で義理堅い性格で知られ、京都市東山区の小松谷に邸宅があったことから**「小松殿」**と呼ばれました。 清盛と後白河上皇の間で板挟みになりながらも、一門の柱として奔走した彼の姿は、今も多くの歴史ファンの心を捉えています。

平宗盛:清盛亡き後、一門の運命を背負った三男

清盛の死後、一門の総帥となったのが三男の平宗盛です。時代の荒波の中で、都落ちから壇ノ浦の戦いに至るまで、平家一門の最期を見届けた悲劇のリーダーとして京都の歴史にその名を刻んでいます。

平家貞:平家を影で支えた忠義の郎党

平家一門の飛躍を支えたのは、親族だけではありません。忠盛・清盛の二代に仕えた実力派の郎党が平家貞です。 西国の海賊鎮撫(ちんぶ)などで武功を挙げ、平家が武士として朝廷で重んじられるための基盤を現場で作り上げました。


結び:京都を歩けば「平家」が見える

現在、私たちが三十三間堂の圧倒的な観音像を拝めるのは、忠盛・清盛親子が抱いた壮大な情熱があったからこそ。次に京都を歩く際は、彼ら平家一門の物語を思い浮かべながら、お堂の柱の数を数えてみてはいかがでしょうか。

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ロスジェネ40代の、あれこれ記録帳を運営しています。
京都市出身、現在は東京都江東区に住まい、妻と一緒に小学生&保育園の二人の子育て中。両親の介護で京都との二拠点生活です。
「野菜作りを楽しむ」をコンセプトにした家庭菜園や農体験の運営を仕事として10年やってきました。今は独立して様々な情報発信などのお仕事と、不動産の管理などをしています。

前述の練習問題の解答☆
  1. 得長寿院(とくちょうじゅいん)
  2. 蓮華王院(れんげおういん)
  3. 平重盛(たいらのしげもり)
  4. 平忠盛(たいらのただもり)
  5. 平宗盛(たいらのむねもり)

Posted by ロスジェネ40代の、あれこれ記録帳