躍動する魂の造形。運慶・快慶から湛慶まで、京都ゆかりの天才仏師まとめ#1112
京都の寺院で出会う仏像たち。その力強い眼差しや繊細な指先の表現には、時代を切り拓いた仏師たちの情熱が宿っています。本記事では、運慶・快慶をはじめ、鎌倉彫刻の黄金期を築いた「慶派」の仏師たちの系譜と、京都で出会える代表作を分かりやすく整理しました。仏像の背景を知ることで、次回の京都歩きがもっと深く、楽しくなるはずです。
- 運慶が快慶らとともに、わずか69日間で造り上げた東大寺南大門に安置されている巨大な像は何ですか。
- 三十三間堂(蓮華王院)の中央に鎮座する本尊「千手観音坐像」を手掛けた、運慶の長男である仏師は誰ですか。
- 六波羅蜜寺にある、口から六体の阿弥陀仏が吐き出されている様子を表現した「空也上人像」の作者は誰ですか。
- 千本釈迦堂(大報恩寺)に伝わる重要文化財「六観音菩薩像」を手掛けた、鎌倉時代中期の仏師は誰ですか。
- 運慶の父である康慶の弟子で、「安阿弥様(あんなみよう)」と呼ばれる繊細で端正な仏像スタイルを確立したのは誰ですか。
☆回答は記事の最後にあります。
京都の寺院で出会う仏像たち。その力強い眼差しや繊細な指先の表現に、思わず足が止まったことはありませんか? 今回は、平安末期から鎌倉時代にかけて京都の仏像界に革命を起こした**「慶派(けいは)」**を中心に、ゆかりの深い仏師たちをご紹介します。
1. 時代を変えた革命児:運慶(うんけい)
定朝(じょうちょう)の次の世代を担った奈良仏師であり、康慶の子。 平氏の南都焼討によって失われた東大寺の復興事業を牽引し、武士の時代の到来を象徴するような、力強く写実的なスタイルを確立しました。
- 代表作・ゆかりの仏像:
- 東大寺南大門 金剛力士像: 快慶らと共にわずか69日で造り上げた伝説の巨像。
- 三十三間堂 千手観音立像: 1001体のうちの1体を手掛けています。
- 鹿王院 釈迦如来像: 凛とした表情が印象的です。
- 豆知識: 仏師の最高位である「法印」まで登り詰めました。
2. 繊細なる美の追求者:快慶(かいけい)
運慶の父・康慶の弟子であり、運慶とともに慶派の黄金時代を築いた名工です。 運慶の力強さに対し、快慶は**「安阿弥様(あんなみよう)」**と呼ばれる、端正で繊細な美しさが特徴です。
- 代表作・ゆかりの仏像:
- 東大寺南大門 金剛力士像: 運慶らと共同制作。
3. 父の背中を追った長男:湛慶(たんけい)
運慶の長男。父とともに醍醐寺や高山寺の造仏事業に携わり、慶派のリーダーシップを引き継ぎました。
- 代表作・ゆかりの仏像:
- 三十三間堂 本尊・千手観音坐像: お堂の中央に鎮座する巨大な国宝。湛慶が82歳の時の大作です。
- 法勝寺 九重塔: 造仏事業に貢献。
4. リアリズムの極致:康勝(こうしょう)
運慶の四男で、湛慶の弟。京都の人々に今も愛される、非常に個性的な像を手掛けています。
- 代表作・ゆかりの仏像:
- 六波羅蜜寺 空也上人像: 口から六体の阿弥陀仏が現れるあの有名な像。リアリズムの傑作です。
- 東寺 弘法大師像: 弘法大師の風貌を今に伝える重要な像。
5. 伝統を繋ぐ名工:康円(こうえん)
運慶の孫にあたる康運の子。慶派の正統な技術を受け継ぎました。
- 代表作・ゆかりの仏像:
- 神護寺 愛染明王坐像: 真っ赤な色彩と力強い憤怒の表情が特徴です。
6. 鎌倉中期の円熟味:定慶(じょうけい)
鎌倉時代中期に活躍した仏師。慶派の流れを汲みつつ、さらに洗練された表現を目指しました。
- 代表作・ゆかりの仏像:
- 大報恩寺(千本釈迦堂) 六観音菩薩像: 聖観音、千手観音など六体すべてが揃う貴重な重要文化財。
- 鞍馬寺 聖観音菩薩像: 山深い霊域を守る慈悲深いお姿。
あとがき 「誰が作ったか」を知ると、仏像の表情の中に当時の人々の願いや、仏師の情熱が見えてくる気がします。次に京都のお寺を訪れる際は、ぜひ「仏師の名」にも注目してみてくださいね。
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