五条坂から世界へ。京都の陶芸史を彩る「美の巨匠」7人まとめ#1107

「京都の美を語る上で欠かせない巨匠たち。本阿弥光悦から北大路魯山人、そして近代陶芸を牽引した名工まで、京都検定でも頻出の重要人物7名を整理してまとめました。

この記事内容から抜粋した練習問題5問☆
  • 第1問 江戸時代初期、角倉素案と協力して豪華な活字本「嵯峨本」を刊行し、のちに徳川家康から鷹峯の地を拝領して芸術家村を築いた人物は誰か。
  • 第2問 尾形光琳の弟であり、京の北西にあたる「鳴滝」に窯を築いたことからその名がついた、江戸時代の陶芸家は誰か。
  • 第3問 柳宗悦らとともに「民芸運動」を推進し、1937年のパリ万博では「鉄辰砂草花丸文壺」でグランプリを受賞した、五条坂に窯を構えた陶芸家は誰か。
  • 第4問 「染付(そめつけ)」技法の重要無形文化財保持者(人間国宝)であり、京都市立美術大学の学長も務めた、京都出身の陶芸家は誰か。
  • 第5問 上賀茂神社の社家に生まれ、のちに東京で会員制食堂「星岡茶寮」を主宰するなど、美食家としても知られる陶芸家・篆刻家は誰か。

☆回答は記事の最後にあります。

五条坂の歩みや芸術家たちの意外な繋がりなど、自身の備忘録としてはもちろん、京都の文化を深く知りたい方、検定合格を目指す方へのヒントとしてご活用ください。」

1. 本阿弥光悦(ほんあみ こうえつ)|京の芸術の先駆者

京都の芸術を語る上で欠かせない、江戸時代初期のマルチクリエイターです。

  • 家業と才能: 刀剣の研磨・鑑定を行う名家に生まれる。
  • 主な実績:
    • 角倉素案(すみのくらそあん)と協力し、豪華な活字本**「嵯峨本」**を刊行。
    • 書道では**「寛永の三筆」**の一人に数えられる。(他:近衛信尹、松花堂昭乗)
  • 京都との関わり: 徳川家康から鷹峯(たかがみね)の地を拝領し、芸術家村を築きました。

2. 尾形乾山(おがた けんざん)|琳派の美を器に

名高い絵師・尾形光琳の弟であり、独自の陶芸の世界を切り拓きました。

  • 光悦への憧れ: 本阿弥光悦を深く慕い、光悦の孫である光甫(こうほ)から陶技を学びました。
  • 窯の場所: 京の「乾(いぬい=北西)」の方角にあたる鳴滝(なるたき)に窯を築いたことが名前の由来です。

3. 仁阿弥道八(にんなみ どうはち)|江戸後期の技巧派

初代・高橋道八の次男として生まれ、京都の陶磁器文化を牽引しました。

  • 師弟関係: 師は名工・奥田頴川(おくだえいせん)。
  • 活動拠点: 粟田(あわた)から五条坂へ移り、作陶に励みました。
  • 作風: 血縁関係にある本阿弥光悦の影響を強く受け、自由で風雅な作品を残しました。

4. 河井寛次郎(かわい かんじろう)|民芸運動の旗手

島根出身ながら、京都を拠点に「用の美」を追求した陶芸家です。

  • 歩み: 京都市陶磁器試験場で学び、五条坂に窯を開きました。
  • 民芸運動:柳宗悦、浜田庄司、富本憲吉らと共に「民芸運動」を展開。
  • 世界的な評価:
    • 1937年 パリ万博:「鉄辰砂草花丸文壺」(てっしんしゃ)でグランプリ。
    • 1957年 ミラノ・トリエンナーレ:**「白地草花絵扁壺」**でグランプリ。

5. 近藤悠三(こんどう ゆうぞう)|「染付」の人間国宝

清水寺の麓に生まれ、澄んだ青が美しい「染付(そめつけ)」を極めました。

  • 修業時代: 河井寛次郎や浜田庄司と交流し、富本憲吉の助手として技術を磨きました。
  • 功績: 京都市立美術大学(現:京都市立芸術大学)の学長を歴任。
  • 称号: **「染付」の重要無形文化財保持者(人間国宝)**に認定されています。

6. 楠部弥一(くすべ やいち)|独自の美学「彩埏」

伝統にとらわれない、清純で気品ある作品を追求しました。

  • 結成: 大正9年(1920年)、若手作家らと**「赤土社」**を創立。
  • 交友関係: 河井寛次郎らと親交を結び、創作陶器の道を切り拓きました。
  • 評価: 1954年に「慶夏」で芸術院賞、1978年には文化勲章を受章しています。

7. 北大路魯山人(きたおおじ ろさんじん)|美食と芸術の融合

陶芸だけでなく、書、篆刻、料理と多才な顔を持つ異色の天才です。

  • 出生: 京都の上賀茂神社、社家(しゃけ)の家系に生まれました。
  • 料理への情熱: 画家たちとの交流から食への関心を深め、東京で会員制食堂**「星岡茶寮(ほしがおかさりょう)」**を主宰。「器は料理の着物」という言葉を残しました。

まとめ:京都の陶芸史を学ぶコツ

今回のメンバーは、それぞれが師弟関係やライバル関係で繋がっています。 例えば、**「五条坂」をキーワードに河井寛次郎・仁阿弥道八をセットで覚えたり、「光悦への憧れ」**という軸で乾山や道八を繋げたりすると、歴史の流れが見えてきますよ!

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この記事を書いた人
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ロスジェネ40代の、あれこれ記録帳を運営しています。
京都市出身、現在は東京都江東区に住まい、妻と一緒に小学生&保育園の二人の子育て中。両親の介護で京都との二拠点生活です。
「野菜作りを楽しむ」をコンセプトにした家庭菜園や農体験の運営を仕事として10年やってきました。今は独立して様々な情報発信などのお仕事と、不動産の管理などをしています。

前述の練習問題の解答☆
  • 第1問:本阿弥光悦(ほんあみ こうえつ)
  • 第2問:尾形乾山(おがた けんざん)
  • 第3問:河井寛次郎(かわい かんじろう)
  • 第4問:近藤悠三(こんどう ゆうぞう)
  • 第5問:北大路魯山人(きたおおじ ろさんじん)

Posted by ロスジェネ40代の、あれこれ記録帳