🐉古都を彩る魂の軌跡:知っておきたい京都ゆかりの僧と文化人

京都の深い歴史を彩った「僧侶」たちにスポットを当てた備忘録。豊臣秀頼に抵抗した日しん、書家「三筆」の一人である橘逸勢、宇治茶のルーツを作った明恵上人の知られざる偉業とエピソードをご紹介します。

この記事内容から抜粋した練習問題5問☆
  1. 常寂光寺を開創し、豊臣秀頼が命じた方広寺大仏の開眼供養を拒否した日蓮宗の僧の名前を答えなさい。
  2. 華厳宗の僧で、後鳥羽上皇から栂尾別所を拝領し、高山寺を興した人物は誰ですか。
  3. 最澄や空海らとともに遣唐使の随員として入唐し、帰国後「承和の変」で伊豆へ流罪となった平安時代初期の書家は誰ですか。
  4. 栂尾山(高山寺)に栄西が持ち帰った茶の種を植え、「栂尾茶」が「本茶」として珍重されるきっかけを作った僧の名前を答えなさい。
  5. 橘逸勢の書が掲げられたことで知られる、大内裏の12の門のうち北面にある門の一つで、その書にまつわる逸話が『江談抄』に載っている門の名前を答えなさい。

☆回答は記事の最後にあります。

この記事では、古都・京都の歴史と文化に深い足跡を残した僧侶(仏教者)や文化人をご紹介します。彼らの功績を知ることは、京都の魅力をより深く感じることにつながります。


🌟常寂光寺を開創した孤高の僧:日蓮宗・日っしん(日惺)

🔸略歴と功績

  • 日蓮宗の本圀寺(ほんこくじ)の第十六世を務めた僧です。
  • 豊臣秀頼が主催した方広寺大仏(ほうこうじだいぶつ)の開眼供養(かいげんくよう)において、自身が担当するはずだった「千眼供養(せんげんくよう)」への出席を拒否したことで知られています。この拒否の背景には、宗派の教義上の理由があったとされています。
  • 京都の小倉山(おぐらやま)に常寂光寺(じょうじゃっこうじ)を開創しました。常寂光寺は、日蓮宗の寺院で、紅葉の名所としても有名です。

💡豆知識: 日っしんは、本圀寺を京都に移転させた日像(にちぞう)の法脈を受け継いでいます。


🖌平安初期の三筆の一人:橘逸勢(たちばなのはやなり)

🔸遣唐使としての旅路

  • 延暦23年(804年)に、遣唐使(けんとうし)の随員として入唐しました。この時、**最澄(さいちょう)や空海(くうかい)**といった、日本の仏教史上重要な人物たちと行動を共にしています。

🔸官僚としての活躍と「承和の変」

  • 帰国後、**従五位下(じゅごいのげ)但馬権守(たじまのごんのかみ)**などの官職に叙任され、官僚として活動しました。
  • しかし、承和9年(842年)に**伴健岑(とものこわみね)と組み、皇太子の廃位(はいい)を企てたとして逮捕されます。これが歴史でいう「承和の変(じょうわのへん)」**です。
  • 彼は伊豆(いず)への流罪を命じられましたが、その途中の遠江(とおとうみ/現在の静岡県西部)で没しました

🔸筆の達人としての逸話

  • **空海、嵯峨天皇(さがてんのう)とともに「三筆(さんぴつ)」**の一人に数えられる書の名手です。
  • 彼の書には不思議な力があったという逸話が、**『江談抄(こうだんしょう)』**に載っています。
    • それは、大内裏(だいだいり)の門の一つ、安嘉門(あんかもん)の北面に掲げられた逸勢の書いた額の字にまつわるものです。
    • その字が、**「髪の毛が逆さに生えた童子が沓(くつ)を履いているように見えた」といい、門の下を通る人がその童子の沓に「踏み倒されそうに見える」**という現象が起きたため、額の真ん中をこすり消した、という話です。
  • 大内裏の12の門のうち、北面の3つの門の額は逸勢の筆によるものだったと伝えられています。

🍵日本を代表する銘茶の祖:華厳宗・明恵(みょうえ)

🔸栂尾(とがのお)の地に高山寺を興す

  • 華厳宗(けごんしゅう)の僧で、紀伊(きい/現在の和歌山県)の出身です。
  • 建永元年(1206年)に**後鳥羽上皇(ごとばじょうこう)から神護寺(じんごじ)の山内にある栂尾別所(とがのおべっしょ)**を拝領しました。
  • ここに**高山寺(こうさんじ)を興し、華厳宗の道場としました。高山寺は、国宝『鳥獣人物戯画(ちょうじゅうじんぶつぎが)』**を伝えたことでも知られています。

🔸栂尾茶(とがのおちゃ)と宇治茶(うじちゃ)の歴史

  • 禅僧の栄西(えいさい)が宋(そう)から持ち帰った茶の種を、明恵がこの賀尾山の地に植え、茶の栽培を始めたとされています。
  • この**「栂尾茶」**は、**本茶(ほんちゃ)として最も珍重され、他の産地で採れたお茶は「非茶(ひちゃ)」**と呼ばれて区別されました。
  • さらに、明恵に学んだ者が、宇治の地にも茶の種を植えたことから、現在の**「宇治茶」**の基礎が築かれたといわれています。

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この記事を書いた人
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ロスジェネ40代の、あれこれ記録帳を運営しています。
京都市出身、現在は東京都江東区に住まい、妻と一緒に小学生&保育園の二人の子育て中。両親の介護で京都との二拠点生活です。
「野菜作りを楽しむ」をコンセプトにした家庭菜園や農体験の運営を仕事として10年やってきました。今は独立して様々な情報発信などのお仕事と、不動産の管理などをしています。

前述の練習問題の解答☆
  1. 日しん(にっしん)
  2. 明恵(みょうえ)
  3. 橘逸勢(たちばなのはやなり)
  4. 明恵(みょうえ)
  5. 安嘉門(あんかもん)

2026年1月13日

Posted by ロスジェネ40代の、あれこれ記録帳