🏛️ 京都の美を守るエリア制度:知っておきたい「定められた地域地区」#1037
京都の美しい街並みは、偶然保たれているわけではありません。この街が定めている特別なルール「地域地区」が、歴史的景観を守り続けています。この記事では、京都の美を未来へ繋ぐために定められた4つの主要な地区(界わい景観整備地区、歴史的景観保全修景地区など)の目的や規制内容を分かりやすく解説します。京都の街を深く知りたい方、京都検定を目指す方のための必見のガイドです。
この記事内容から抜粋した練習問題10問☆
- 京都市が市街地の景観整備を図る必要がある地域として定め、建物の新築や模様替えが制限される地区の名称は何ですか。
- 「伏見南浜」「三条通」「上賀茂郷」などが指定されている、京都市独自の景観規制地区の名称を答えなさい。
- 都心の主要道路である御池通(木屋町・堀川間)の沿道の景観を形成するために定められた制度の名称は何ですか。
- 建物の新築や模様替えに制限があり、歴史的建造物の補修費用の一部が補助される地区の名称は何ですか。
- 「祇園縄手・新門前」「祇園町南」「上京小川」の3地区が指定されている、歴史的な街並み保全を目的とした地区の名称は何ですか。
- 「歴史的風土特別保存地区」を指定する法律の正式名称を答えなさい。
- 「歴史的風土特別保存地区」を京都市内で指定する権限を持つ大臣(国の機関)の名称は何ですか。
- 「歴史的風土特別保存地区」の指定目的は、古都の何を保存することですか。
- 「歴史的景観保全修景地区」で受けられる、景観保全に協力する者への支援として、特徴的なものを一つ答えなさい。
- 「界わい景観整備地区」に指定されている7か所のうち、「上七軒」を含む地区の名称は何ですか。
☆回答は記事の最後にあります。
京都の街並みがいつまでも美しいのは、長い歴史の中で育まれた景観を守り、未来へ受け継ぐための様々な制度があるからです。
ここでは、京都市が定める、街の景観や歴史的風土を守るために特別なルールが設けられている「地域地区」についてご紹介します。これらのルールを知ることは、京都という街の魅力を深く理解することにつながります。
1. 界わい景観整備地区
京都市が、特に市街地の景観整備を図る必要がある地域として定めている地区です。
- 目的:
- その地域の個性を活かしながら、街の美観を整え、住みよい環境を守ることを目的としています。
- 規制内容:
- この地区内で建物の新築や模様替えをする際には、景観に配慮した制限が設けられます。
- 指定されている主な地区(7か所):
- 伏見南浜、三条通、上賀茂郷、千両が辻、上京北野(上七軒)、西京樫原(かたぎはら)、本願寺・東寺
2. 沿道景観形成地区
都心における主要な街路(メーンストリート)に沿った地域の、統一された景観を形成するための制度です。
- 目的:
- 都市の顔となる主要道路沿いの景観を美しく保ち、風格ある都市環境をつくり出すことを目指します。
- 指定されている主な地区:
- 御池通(木屋町~堀川間の沿道)
3. 歴史的景観保全修景地区
歴史的な建造物や街並みが残る地域の景観を特に重点的に保全するための地区です。
- 目的:
- 伝統的な景観を保全するために、建物の新築や外観の変更に制限を設けます。
- 特徴的な支援:
- 歴史的建造物の補修については、その費用の一部が補助される制度があります。
- 指定されている主な地区(3地区):
- 祇園縄手・新門前、祇園町南、上京小川(こかわ)
4. 歴史的風土特別保存地区
こちらは京都市の条例ではなく、「古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法」に基づき、国土交通大臣によって指定される地区です。
- 目的:
- 古都の歴史的・文化的遺産を取り巻く自然環境(歴史的風土)を将来にわたって保存することを目的としています。
- 指定されている主な地域(京都市内24地区):
- 三千院、上賀茂、御室・衣笠、嵯峨野、嵐山など、豊かな自然と歴史的建造物が一体となった地域が指定されています。
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今回のブログ記事前後の関連記事
前述の練習問題の解答☆
- 界わい景観整備地区
- 界わい景観整備地区
- 沿道景観形成地区
- 歴史的景観保全修景地区
- 歴史的景観保全修景地区
- 古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法
- 国土交通大臣
- 歴史的風土(または歴史的・文化的遺産を取り巻く自然環境)
- 歴史的建造物の補修費用の一部補助(または補修費用の補助)
- 上京北野