⛰️ 延暦寺 (えんりゃくじ)#981
比叡山延暦寺は、天台宗の総本山にして「日本仏教の母山」と呼ばれる重要寺院です。京都検定の頻出スポットである延暦寺の、独特な伽藍構成「三塔十六谷三千坊」や、修行の最高峰「千日回峰」、東塔・西塔・横川の三塔ごとの特徴を分かりやすく解説。受験対策の備忘録として、また訪問前の知識としてご活用ください。
この記事内容から抜粋した練習問題5問☆
- 延暦寺で、7年間かけて比叡山の山道を歩き続ける、最も厳しい修行を何と呼びますか。
- 延暦寺の伽藍構成は、山上の地形に合わせて独特な発展を遂げ、「三塔十六谷」の後に続く言葉を含めて何と呼ばれましたか。
- 延暦寺全体の中心となるエリアで、根本中堂が位置する塔の名称は何ですか。
- 東塔の根本中堂に、最澄自刻とされる本尊は何の如来像ですか。
- 西塔の中心である釈迦堂の落慶に、空海も出仕したと伝えられますが、この西塔を発展させた第二世天台座主は誰ですか。
☆回答は記事の最後にあります。
比叡山全体を寺域とする天台宗の総本山で、最澄(伝教大師)によって開かれました。その歴史と伽藍構成は独特であり、厳しい修行の場としても知られています。
1. 厳しい修行
延暦寺の修行の中でも特に厳しいとされるのが、**千日回峰(せんにちかいほう)**です。これは7年間かけて比叡山の山道を歩き続ける荒行で、「生身の不動明王」を目指す修行として知られています。
2. 独特な伽藍構成
平地にある南都(奈良)の寺院とは異なり、山上に位置するため、伽藍(寺の建物全体)は整然とは建てられませんでした。
- 初期の構成: 各塔の中心本堂の周りに谷が開かれ、その周りに**坊(僧侶の住居)**が建築されました。
- 発展: 時とともに谷や坊が増え、最終的に「三塔十六谷三千坊」と呼ばれる大規模な伽藍構成となりました。
3. 三塔
延暦寺の伽藍は、大きく以下の三つのエリアに分かれています。
東塔(とうどう)
- 全体の中心: 延暦寺全体の中心となるエリアです。
- 根本中堂(こんぽんちゅうどう): このエリアにあり、延暦寺の中心的な建物です。
- 本尊: 最澄が自ら刻んだとされる薬師如来像が安置されています。
- 当初の名称: 当初は**一乗止観院(いちじょうしかんいん)**と称されました。
- 一乗止観とは、「雑念を払って物事の真理を極めること」を意味します。
- 後の名称: 後に比叡山寺と呼ばれるようになりました。
西塔(さいとう)
- 発展: **第二世天台座主・円澄(えんちょう)が建てた釈迦堂(しゃかどう)**を中心に発展しました。
- 歴史的エピソード: 釈迦堂の落慶(完成)の際には、真言宗の開祖である空海も出仕(出席)したと伝わります。
横川(よかわ)
- 建立: **第三世天台座主・円仁(えんにん)**が建立しました。
- 中興: 一時荒廃しましたが、**良源(りょうげん)**によって再興されました。
📝 ポイント: 延暦寺は、最澄によって開かれ、東塔(根本中堂)、西塔(釈迦堂)、横川の三塔からなる「三塔十六谷三千坊」の伽藍構成を持ちます。
あわせて読みたい記事
おすすめの書籍
リンク
今回のブログ記事前後の関連記事
前述の練習問題の解答☆
- 千日回峰(せんにちかいほう)
- 三千坊(さんぜんぼう)
- 東塔(とうどう)
- 薬師如来像(やくしにょらいぞう)
- 円澄(えんちょう)