⛰️ 京都の山:愛宕山・神山・鳥辺山#976
京都検定の受験対策にも役立つ、「京都の山」の知識を徹底解説!防火の神が宿る愛宕山、神社の起源となった神山、そして和歌に詠まれた歌枕の地鳥辺山。それぞれの山の概要から歴史、信仰まで、覚えやすく整理しました。
この記事内容から抜粋した練習問題5問☆
- 山城と丹波の国境に位置し、防火の信仰を集め、松上げが行われることで知られる標高924mの山を何と言いますか。
- 愛宕神社の祭神である迦具土神(かぐつちのかみ)が生まれた際に母神のイザナミを焼死させたことから、この神が火神として恐れられたことが「愛宕」という名称の語源とする説で、その恐れの対象となった神の呼び名を何と言いますか。
- 上賀茂神社の磐座(いわくら)があり、賀茂の明神が最初に出現したため「御生(みあれ)の山」とも呼ばれる山を何と言いますか。
- 平安時代を通じて葬送の地、墓所とされ、「鳥部野」や「鳥辺野」として名歌に詠み込まれ歌枕となった東山の丘陵地を何と言いますか。
- 桓武天皇の時代に愛宕山が歴史的に強い対抗意識を持っていたとされる、近江国に位置する国家鎮護の道場は何ですか。
☆回答は記事の最後にあります。
🔥 愛宕山(あたごやま)
- 概要
- 山城(やましろ)と丹波(たんば)の国境に位置する山です。
- 標高は924m。
- 表記は「愛宕」のほか、「阿多古」「愛宕護」「阿太子」と書かれることもあります。
- 信仰と歴史
- 古くから防火の信仰を集めてきました。
- 愛宕神社の祭神、迦具土神(かぐつちのかみ)は火神(ほのかみ)であり、生まれた時に母神のイザナミを焼死させたことから「アダコ」として恐れられ、「アダコ(仇子)→ 愛宕」という語源になったという説があります。
- 桓武天皇の時代に国家鎮護の道場とされました(『山城名勝志』より)。
- 歴史的には比叡山延暦寺への強い対抗意識を持っていたことが知られています。
- 行事
- 京都の伝統行事である松上げは、愛宕山へ聖火を奉納することから始まったと伝えられています。
✨ 神山(こうやま)
- 概要
- 上賀茂神社(賀茂別雷神社)の磐座(いわくら:神が降臨するとされる岩や岩の座)がある山です。
- 神事との関わり
- 賀茂の明神(上賀茂神社の祭神)が最初に出現した山とされています。
- このことから、この山は「御生(みあれ)の山」とも呼ばれます(『名所都鳥』より)。
🕊️ 鳥辺山(とりべやま)
- 概要
- 京都の東山に位置する丘陵地です。
- 阿弥陀ヶ峰(あみだがみね)の北麓から今熊野(いまくまの)あたりまでを指します。
- 歴史的役割
- 古くから葬送の地、墓所として知られていました。
- 文学:歌枕(うたまくら)
- 「鳥部野(とりのべ)」「鳥辺野」として、平安時代を通じて名歌に詠み込まれ、歌枕(和歌の名所)として定着しました。
- 歌の例:鳥部山谷に煙の燃え立たばはかなく見えし我と知らなむ(『拾遺集』より)
- 📝 その他の歌枕の例
- 竜田川(たつたがわ):奈良県生駒郡
- 難波江(なにわえ):大阪、淀川の河口
- 三笠山(みかさやま):奈良、春日大社

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前述の練習問題の解答☆
- 愛宕山(あたごやま)
- アダコ(仇子)
- 神山(こうやま)
- 鳥辺山(とりべやま)
- 比叡山延暦寺(ひえいざんえんりゃくじ)


