📝 京仏具の備忘録:これから目指す人のためのメモ#969
京都検定の合格を目指すあなたへ!本記事では、重要文化財の修復や仏像・仏画の荘厳に不可欠な「京仏具」の基本知識を、受験対策用の備忘録としてまとめました。製作の中心地「六条」や、必須の技法「鎚起(ついき)」「截金(きりかね)」など、頻出ポイントを整理して解説。効率的に京仏具の知識をインプットし、得点アップを目指しましょう!
この記事内容から抜粋した練習問題5問☆
- 江戸時代に京仏具の製作が特に集中し、東西の本願寺の影響を大きく受けた地域はどこですか。
- 鋼や銅合金の地金を人力で打ち出して器具を作る技法で、京仏具の重要な工程であり、茶道具でも需要が多いとされる技法は何ですか。
- 金箔やプラチナ箔を数枚焼き合わせ、竹刀(ちくとう)で細い線状などに裁ち切って仏像や仏画に貼り付け、文様を描いていく技法を何と呼びますか。
- 設問3の技法は、かつて「切金」のほかに何と呼ばれていましたか。
- 中世には衰微した設問3の技法が、京都において技術を伝承・保存してこられた要因となった、保護を与えた二つの寺院は何ですか。
☆回答は記事の最後にあります。
京仏具とは
- 京都で製作される仏具の総称です。
- 特に江戸時代に製作が集中した地域として六条が挙げられます。
- この地域は、東西の本願寺(西本願寺・東本願寺)の影響を非常に強く受け、仏具製作の中心地として発展しました。
- 江戸時代初期の俳諧作法書『毛吹草(けふきぐさ)』にも、仏具の名産地として言及されています。
京仏具の重要な技法
京仏具の製作には、古くから伝わる高度な技術が用いられています。その中でも特に重要な技法を解説します。
鎚起(ついき)
- 鋼や銅合金の地金を、人力で槌(つち)を打ち付けて、器物や器具の形に成形する技法です。
- 京仏具の金属部分を製作するうえで非常に重要な工程の一つです。
- 仏具以外にも、茶道で使う茶道具などでも需要が多く、高度な技術が求められます。
截金(きりかね)
- かつては「切金」や「細金(ほそがね)」とも呼ばれていました。
- 金箔やプラチナ箔を数枚焼き合わせ、厚みを出します。
- これを鹿皮の盤にのせ、竹刀(ちくとう:竹製の細い刃物)を用いて細い線状や、円、三角、四角などの小さな片に裁ち切る技法です。
- 裁ち切った箔の小片を筆の穂先に付けて、仏像や仏画の表面に貼り付け、文様を描いていく加飾(かざりつけ)の技術です。
- 仏教とともに日本に伝来し、仏像や仏画の加飾荘厳(かざりつけ)として発達しました。
- 中世には一時衰微しましたが、京都では東西の本願寺の保護のもと、ごく少数の専門の術師によって技術が伝承・保存されてきました。
💡 受験対策のポイント
仏具製作の集中地は「六条」で、影響が大きかったのは「東西の本願寺」と「毛吹草」をセットで覚えましょう。また、「鎚起」は金属加工、「截金」は金箔による装飾技法と、それぞれの特徴と役割を理解しておくと役立ちます。
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前述の練習問題の解答☆
- 六条(ろくじょう)
- 鎚起(ついき)
- 截金(きりかね)
- 細金(ほそがね)
- 東西の本願寺(西本願寺・東本願寺)