📝 京都検定受験のための備忘録:「京都のことばその2」
京都検定合格を目指す受験生必見!「京都のことば」シリーズ第二弾では、京都の歴史と文化が詰まった奥深い故事成語や俗諺を解説します。白河法皇が嘆いた「天下三不如意」とは? 天気と信仰にまつわる「稲荷詣に愛宕詣」とは? 知ったかぶりを意味する「白川夜船」の意外な由来まで、試験に出る重要ワードを徹底整理します。
この記事内容から抜粋した練習問題5問☆
- **「稲荷詣に愛宕詣」**という俗諺において、雲が愛宕山のある方角(北西)へ向かっていると、やがてどのような天候になると言われていますか。
- 白河法皇が「天下三不如意」として嘆いた三つのうち、「比叡山延暦寺の僧兵の乱暴」を指すものは何ですか。
- 「鴨川の水、双六の賽、山法師」は、白河法皇の何という故事成語の俗諺として知られていますか。
- 実際には見ていないのに見たふりをすることの譬えである故事成語**「白川夜船」**において、この言葉の背景として白川では不可能だとされることは何ですか。
- 「白川夜船」という言葉が持つ、知ったかぶりをするという意味の他に、「熟睡していて何も気が付かない」という意味で使われるようになった理由は何ですか。
回答はこの記事の最後にあります。
この章では、京都にまつわる興味深い言葉や故事成語をまとめます。
💡 稲荷詣に愛宕詣(いなりもうでに あたごもうで)
これは、雲の行き来と天候の関係にまつわる京都の俗説です。
- 「稲荷詣」:雲が御稲荷さん(伏見稲荷大社)のある方角、南東へ動いていれば、やがて晴れる。
- 「愛宕詣」:雲が愛宕山の方角、北西へ向かっていれば、やがて曇り、雨が降る。
京都の地理的な位置と、古くからの信仰の対象である山や神社が、生活に根ざした天気予報の役割を果たしていたことが分かります。
💡 鴨川の水、双六の賽(さい)、山法師
これは、**白河法皇(しらかわほうおう)**の有名な「天下三不如意(てんかさんふにょい)」を指す俗諺(ぞくげん)です。
- 権勢を誇った白河法皇が、「自分の思い通りにならないもの」として嘆いた三つの事柄。
- 三不如意の内容は、以下の通りです。
- 鴨川の水:制御できない洪水(水害)。
- 双六の賽(さい):思うようにいかないサイコロの目。
- 山法師:比叡山延暦寺の僧兵(強大な武力を持つ集団)の乱暴。
どんなに権力があっても、自然の力や人の心、それに寺社の持つ力が思い通りにならないことを示す言葉です。
💡 白川夜船(しらかわよふね・しらかわよぶね)
これは「実際には見ていないのに、あたかも見たかのように知ったかぶりをすること」の譬え(たとえ)として使われる故事成語です。
- 言葉の由来
- 京都の白川は川幅が狭く、浅いために通船は不可能です。
- ある人が京都へ行ったことがないのに、行ったと知ったかぶりをしたところ、白川の様子を聞かれて困りました。
- そこで「夜船(よぶね)だったから、寝ていて白川の様子はわからない」と、あり得ない船旅を口実に言い逃れをした、という話から来ています。
- 別の意味
- また、熟睡していて何も気が付かないことの意味でも使われます。
- これは「夜船で寝ていて、川の様子など何も分からなかった」という様子から転じたものです。
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前述の練習問題の解答☆
- くもり、雨(または、くもりや雨が降る)
- 山法師
- 天下三不如意(てんかさんふにょい)
- 通船(または、船が通ること)
- (夜船で)寝ていて(川の様子など)何も分からなかったから(または、熟睡して何も気づかない様子を、夜船で寝ていたことに例えたため)