京都検定対策:五花街の「をどり」備忘録#938
京都検定合格を目指す方必見!京都の春と秋を彩る五花街の「をどり」は、毎年必ず出題される重要テーマです。この記事では、「都をどり」や「鴨川をどり」など、五つの花街の歴史、会場、舞踊の流派といった必須知識を、効率よく暗記できるようポイントを絞って解説します。
この記事内容から抜粋した練習問題10問☆
- 京都の五花街で、明治5年(1872年)に都をどりと同時に、京都博覧会の「付博覧」として始まったをどりの名称を答えよ。
- 祇園甲部が主催する都をどりの公演時期は、毎年何月何日から何日までか答えよ。
- 都をどりの企画において、一力亭の主人とともに京舞井上流の振付を担当した人物の名を、流派の名称(○世)まで含めて答えよ。
- 鴨川をどりの創始において、最初に会場となった、裏寺町大龍寺の横にあった建物の名称を答えよ。
- 祇園をどりが開催されるのは、五花街の「をどり」の中で唯一秋である。その開催月を答えよ。
- 祇園東が主催する祇園をどりの舞踊の流派を答えよ。
- 京おどりを主催する花街はどこか答えよ。
- 北野をどりが正式名称となったのは、昭和27年に北野天満宮で行われた何の記念行事に協賛したことによるか答えよ。
- 鴨川をどりの舞踊の流派を答えよ。
- 都をどりの創始にあたり、少人数の座敷舞を集団舞踊の様式に工夫するヒントとなった、伊勢古市の「○○踊り」の名称を答えよ。

目次
1. 都をどり(みやこをどり)
- 花街:祇園甲部(ぎおんこうぶ)
- 主催:祇園甲部歌舞会
- 公演時期:毎年 4月1日~30日(春の恒例)
- 会場:祇園甲部歌舞練場(花見小路通り四条)
- 最初の会場は祇園新地の松野屋
- 創始:
- 明治5年(1872年)に第一回京都博覧会の**「付博覧(つけはくらん)」**<余興>として始まる。
- 博覧会の主会場は西本願寺。
- 企画:一力亭の主人である九世杉浦次郎右衛門と、京舞井上流の三世井上八千代
- 特徴:
- 少人数の座敷舞を集団舞踊(レビュー)の様式に工夫。
- 伊勢古市の**「亀の子踊り」**からヒントを得た。
- 京都府参事・槇村正直が作詞を担当(歌題「都躍十二調」)。
- 舞踊の流派:井上流
2. 鴨川をどり(かもがわをどり)
- 花街:先斗町(ぽんとちょう)
- 主催:先斗町歌舞会
- 公演時期:例年 5月(春の恒例)
- 会場:先斗町歌舞練場(先斗町三条)
- 創始:
- 明治5年(1872年)に京都博覧会の**「附博覧」**<余興>として始まる(都をどりと同年)。
- 当初の会場は裏寺町大龍寺の横の**「千代の家」**。
- 明治8年には、第四回京都博覧会の付博覧として参加。
- 恒例行事として明治16年まで毎年開催後、中断。
- 明治28年(1895年)に平安奠都1100年を記念して先斗町三条に歌舞練場を建設し、第13回公演を再開。
- 現在の歌舞練場の建物は昭和2年に再新築。
- 舞踊の流派:尾上流
3. 京おどり(きょうおどり)
- 花街:宮川町(みやがわちょう)
- 主催:宮川町歌舞会
- 公演時期:例年 4月上旬~中旬(春の恒例)
- 会場:宮川町歌舞練場
- 明治13年(1880年)に宮川町の東新道に宮川町女紅場が新設。
- 女紅場は明治6年の婦女職工引立会社が翌年改称したもの。
- 宮川町歌舞練場は明治30年(1897年)に新しい建物ができ、昭和25年から京おどりの会場に。
- 舞踊の流派:不詳(記載なし)
- (注: 京舞井上流ではない)
4. 北野をどり(きたのおどり)
- 花街:上七軒(かみしちけん)
- 主催:上七軒歌舞会
- 公演時期:例年 3月下旬~4月上旬(春の恒例、五花街で最も早い)
- 会場:上七軒歌舞練場
- 前身は上立売浄福寺の岩上座で行われていた上七軒歌舞会の温習会。
- 明治35年(1902年)から北野クラブに会場を移す。
- 創始:
- 昭和27年(1952年)に北野天満宮千五十年祭の記念万灯会に協賛し、正式に**「北野をどり」**となる。
- 舞踊の流派:花柳流
5. 祇園をどり(ぎおんをどり)
- 花街:祇園東(ぎおんひがし)
- 主催:祇園東歌舞会
- 公演時期:毎年 11月1日~10日(唯一の秋のをどり)
- 会場:祇園会館
- 旧膳所藩邸の跡地に、祇園町乙部の芸子のための歌舞練場として設立。
- 昭和24年(1949年)、乙部は東新地と改められ、祇園会館と改称。
- 現在の祇園会館は昭和33年に建てられ、祇園をどりの会場に。
- 創始:昭和27年(1952年)から始まる(北野をどりと同年)
- 舞踊の流派:藤間流

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前述の練習問題の解答☆
- 鴨川をどり
- 4月1日から30日まで
- 三世井上八千代
- 千代の家
- 11月
- 藤間流
- 宮川町
- 千五十年祭の記念万灯会(または大萬燈祭)
- 尾上流
- 亀の子踊り


