祇園祭
祇園祭の複雑な日程と山鉾の知識を、京都検定対策の備忘録として分かりやすく整理しました。これから受験を目指す方が効率よく学べるよう、くじ取らずの山鉾の由来や、神事の流れまで、必須のポイントをまとめて解説します。
日本三大祭りの一つ、八坂神社の祭礼
祇園祭は、神田祭、天神祭りとともに日本三大祭りの一つに数えられます。八坂神社の祭礼であり、厄除けや疫病退散を祈願するお祭りです。
山鉾は合わせて32基が巡行します。山鉾巡行は祇園祭山鉾連合会が中心となって執行されます。

祇園祭の主な日程(7月)
祇園祭は7月1日から31日までの1ヶ月間行われます。主な行事を以下にまとめます。
| 日付 | 行事名 | 概要 |
| 7月1日 | 吉符入り(きっぷいり) | 1日~5日、山鉾町の役員が会所に集まり、祭神を祀り綿密な打ち合わせを行います。 |
| 7月2日 | くじ取り式 | 山鉾巡行の順番を決める儀式。現在は京都市役所で市長列席のもと行われます(明治22年から)。 →江戸時代には六角堂で行われていました。山鉾町の代表が八坂神社に参拝し、祭の無事を祈ります。 |
| 7月10日 | 神輿洗い | 3基の神輿のうち、**中御座(なかござ)の神輿を担いで四条大橋まで運びます。鴨川から汲み上げた「神月の水」で洗い清めます。 |
| 7月10日 | お迎え提灯 | 神輿をお迎えするための行事です。 |
| 7月13日 | 稚児社参 | 長刀鉾に乗る稚児が八坂神社に参詣し、「お位(くらい)」を授けてもらいます。 |
| 7月16日(宵宮) | 石見神楽奉納 | 島根県の西部地域で行われる里神楽(石見神楽<いわみかぐら>)が八坂神社で奉納されます。演目の「大蛇」は、素戔嗚尊(すさのおのみこと)の大蛇退治にちなみ、石見神楽の華とされます。 |
| 7月17日 | 山鉾巡行 | 山や鉾が巡行します。 |
| 7月17日 | 神幸祭(しんこうさい) | 夕方、八坂神社の3基の神輿が出発し、それぞれのコースを経由して四条寺町の御旅所**へ渡御(とぎょ)します。神々がつつがなく御旅所へお越しいただくための行事です。 |



くじ取らずの山・鉾(巡行順固定の山鉾)
山鉾巡行の順番を決める「くじ取り式」に参加せず、毎年巡行順が固定されている山鉾を「くじ取らず」と呼びます。
| 山・鉾名 | 巡行順 | 特徴・由来 |
| 長刀鉾 | 先頭 | 疫病や邪悪をはらう長刀が鉾の先に付けられています。生稚児(いきちご)が乗る唯一の鉾です。 |
| 函谷鉾 | 固定 | 中国の斉(せい)の孟嘗君(もうしょうくん)が、家来に鳥の声の真似をさせて**函谷関(かんこくかん)**を開けさせ、危機から脱出した故事にちなみます。 |
| 放下鉾 | 固定 | **放下僧(ほうかそう)**の像を天王座に祀ります。 |
| 岩戸山 | 固定 | **天照大神(あまてらすおおみかみ)が天の岩戸に隠れたという神話にちなみます。 |
| 船鉾 | 固定 | 神功皇后(じんぐうこうごう)が出陣した船の形の鉾です。 |
| 北観音山 | 固定 | 楊柳観音像(ようりゅうかんのんぞう)と韋駄天像を祀ります。 |
| 橋弁慶山 | 固定 | 弁慶と牛若丸が五条大橋で闘う姿をかたどっています。 |
| 南観音山 | 固定 | 楊柳観音像と善財童子**を祀ります。 |
※綾傘鉾と四条傘鉾は、踊りが付くことから平成8年に7番と15番に固定されました。


神事の渡御と還御
祇園祭は、八坂神社の神々が四条寺町の御旅所まで**渡御(とぎょ)し、再び八坂神社へ戻られる還御(かんぎょ)**の祭です。
- 神幸祭(しんこうさい):7月17日の夕方、神々が八坂神社から御旅所へ渡御される行事です。
- 還幸祭(かんこうさい):神々が御旅所から八坂神社へ還御される行事です。

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