母から相続した不要な土地2件、最終的に「不動産引取り業者」への依頼へ #905 mission101
先日の記事でご紹介した通り、僕の母が相続していた不要な不動産が2件あります。
1つは滋賀県東近江市の山林。もう1つは京都市山科区の狭小な「公衆用道路」。
いずれも、元々は僕の叔父が所有していた土地です。
母がまだ判断力のあるうちに、なんとか適切な形で手放しておきたい——。
そんな思いから、僕が代理人として手続きに動いてきました。
最終的には「有償での不動産引取り業者への依頼」を決断したのですが、そこに至るまでに、できる限りの努力はしました。以下、その経緯をまとめます。

■ 滋賀県東近江市の相続山林(135㎡)
対象の山林は135㎡。正確な境界も不明で、実際には長年放置された荒れ地のような状態です。
試みたこと:
- 元の売主のご家族に引取り依頼
→ まったく関心を持たれず、話は進まず。 - 東近江市の森林担当課に相談
→ 担当者の反応は悪くなく、一定の関心は示されましたが、引取りは不可とのこと。
次に検討したのが、「国庫帰属制度」の活用です。
これは2023年からスタートした新制度で、一定の条件を満たせば有償で国が不要な土地を引き取ってくれるというもの。
■ 国庫帰属制度のハードル
手続き窓口である法務局に実際に行って話を聞きました。
ですが、**「境界線が不確定」**という点がネックに。
たとえ隣接地の立会いや確定測量までは求められないとしても、杭や目印を設置するには何らかの根拠が必要。
これを調査士さんに依頼して進めると、費用と時間がかかりすぎるため断念しました。
■ 京都市山科区の相続された「公衆用道路」(1.75㎡)
この土地は、かつて叔父が所有していた建物と一緒に取引されていた、ごく狭い「道路部分」です。
母が相続し、僕の会社を経て、現在は山口県に住む個人所有者に移っています。
所有者に譲渡を打診するも…
当初の不動産取引を担当していた会社に連絡を取りましたが、当時の担当者はすでに退職。
現在の担当者も対応が鈍く、現所有者との連絡がなかなか取れません。
一応、所有者が「若い子育て中のお母さん」であることまでは分かりましたが、先方からの返答が一向に得られず。
無償譲渡+こちらで登記費用や事務手数料も負担するという提案でしたが、1か月ほど待っても進展がなかったため、ここは断念。
近隣住民への引き取り依頼も不調
この土地が「連棟建て住宅」の一部だったため、隣接する2軒の住民にも相談。
長く住んでいる方なら話が通じるかも…と期待しましたが、いずれも引き取りの意志はなし。
■ まとめ:不動産引取り業者に依頼へ
滋賀・京都、どちらの土地についても、できる限りの手段は尽くしたつもりです。
ただ、僕の母の状態(認知症の進行)を考えると、手続きはスピードが命。
このまま状況が停滞してしまうのはリスクと判断し、信頼できる不動産引取り業者に有償での引取りを依頼することにしました。
不要な相続不動産を抱えて悩んでいる方も多いと思いますが、「国庫帰属制度」「近隣への打診」「引取り業者の活用」など、選択肢はいくつかあります。
僕のケースが、同じような境遇の方にとって、少しでも参考になれば嬉しいです。
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