【税務調査体験記】相続税と贈与の確認調査、ついに決着。母の認知症と向き合いながら選んだ選択とは #893 mission089
2024年12月9日、東京で行われた税務調査の第2回目に参加しました。
この調査は、10月に京都税務署の担当者が東京まで出張して対応してくれた、母の相続税に関するもの。亡くなった叔母から相続した財産の整理に加え、母から僕たち家族への送金が「贈与」にあたるのかどうかが焦点でした。
会計事務所の所長からは、
「税務署としても何度も出張したくないでしょうし、年内に延滞税なども含めて決着させたいはず。今回が最後になるはずです。もうひと踏ん張り頑張りましょう」
と励まされ、この日が調査の最終確認の場になる見込みでした。

■ 税務調査の概要と対応方針
今回の調査のポイントをまとめると、以下の3つに整理されます:
- 申告漏れの相続税
申告漏れとなっていた証券会社の資産について、加算税・延滞税も含めて支払うことで合意。 - 家族への送金について
母から僕たち家族への送金は、贈与ではなく「預り金」として扱う。つまり、贈与税は発生せず、将来的に母の相続の際に相続税として清算する方針。 - 叔母から母への送金の扱い
過去に叔母から母に送られた資金の存在が確認され、これは母が「認識していたかどうか」が争点に。今回は、これを母が認識していた=「重加算税の対象」として処理することで決着。
■ 判断の背景にあった僕の思い
本来であれば「母は知らなかった」として争うことも可能でした。所長からも、
「粘って否認する方向もあります。ただ、それだと調査が長引く可能性もある。税務署と気持ちよく終えるという選択も一つです」
とアドバイスを受けていました。
でも、僕としては、これ以上時間をかけたくなかったんです。というのも、母は日々認知症が進んでいて、今はまだ銀行に一緒に行けても、数ヶ月後にはどうなるか分からない。
京都の銀行で支払う必要がある以上、支払いのタイミングを先延ばしにするリスクは避けたかったのです。
■ 即決での支払いとスムーズな決着
そこで僕は、その場で税務署の担当者に尋ねました。
「相続税と加算税、最短でいつ払えますか?」
すると、担当者はその場で小型プリンターを取り出し、「今、納付書を発行できますよ」とのこと。
「お願いします」
その納付書を受け取り、僕はすぐに翌12月10日の京都への遠隔介護予定に合わせて、母を銀行へ連れていくスケジュールを立てました。通帳と印鑑を持って、支払いを済ませる計画です。
税務署の方もあまりのスピード感に少し驚いていましたが、変なわだかまりも残らず、最後は笑顔で世間話までして別れることができました。
京都税務署の皆さんの丁寧な出張対応にも感謝です。
■ 最後に
翌日、母を連れて銀行へ行き、すべての税金の支払いを完了しました。
相続や贈与に関する税務調査は、正直とても神経を使います。
でも、必要な税金はしっかり払う。それによってスムーズに、母と一緒に最小限の負担で終えることができたのは、僕にとって何よりの結果でした。
【まとめ:今回の教訓】
- 相続や贈与の判断はグレーな部分も多く、専門家の意見を聞くことが重要
- 高齢の親が関わる場合、支払いのタイミングは慎重に見極めるべき
- 「払わなくていい税金」と「払うべき税金」の線引きが大切
- 税務署とも対立するばかりでなく、気持ちよく終わらせる選択も一つ
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