サ高住で暮らす両親の「鍵」と「面会ルール」について僕の体験談 #883 mission079

父と母は、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)に入居しています。うちのサ高住では、基本的に契約者(入居者)に2種類の鍵が支給されます。
1つは、玄関(エントランス)のオートロックを解除する電子キー。
もう1つは、各部屋のルームキーです。

部屋の鍵は、入居者本人が内側から施錠することができます。ただし、ヘルパーさんや看護師さんなどスタッフが必要なときに入室できるよう、原則として在室中は鍵をかけずに開けておくのがサ高住のルールです。外出や食堂への移動時には施錠する、という使い方が一般的になっています。

うちの場合、両親それぞれの事情に合わせて鍵の運用を工夫しました。
は足腰が弱く、すり足でしか歩けないため外出はできません。そのためエントランスキーは僕が持ち、父にはルームキーだけ渡しています。
は足腰は元気ですが、認知症が進行していて徘徊のリスクがあるため、エントランスキーは渡さず、ルームキーも紛失の恐れから両方とも預からせてもらっています。

ところが2024年夏、父から「母の部屋の鍵を預かりたい」と相談がありました。
母は認知症による習慣で、部屋に居るときにも無意識に鍵をかけてしまうことが度々あったのです。スタッフはスペアキーで対応できますが、父が母を食堂に誘いに行ったり、様子を見に行ったときには部屋に入れないという問題がありました。
母は耳が遠いため、部屋のインターホンを鳴らしても応答がありません。

僕は事情をサ高住のスタッフに説明し、「父が母の部屋の鍵を預かる」運用に変更してもらいました。
施設側からも「鍵を絶対にお母さんには渡さないように」と念を押され、父もこれまで母の保険証や書類、鍵の紛失を何度も経験しているため、その重要性をしっかり理解してくれました。

認知症で短期記憶がほとんど効かなくなってきた母と、年齢相応に認知機能が低下し会話が噛み合わなくなることもある父。
僕としては「両親にできるだけ長く元気に過ごしてもらいたい」「面会に行ったときに楽しい時間を過ごしてもらいたい」という気持ちがあります。
でも僕には仕事もあり、遠距離介護という現実もあるので、「どうやったら楽しい気持ちのまま東京に戻れるか」を意識して面会の段取りを組んでいます。

今では父と母、それぞれ別々の部屋を訪ねる面会ルーティンが僕の中で定まってきました。

  1. 父の部屋を訪れて挨拶し、軽く会話をして母の部屋の鍵を預かる
  2. 母の部屋に行き、天気が良ければ一緒に散歩してカフェで一休み
  3. 散歩の後は母を部屋まで送り届け、「また来るね」と伝えて別れる
  4. 再び父の部屋に戻り鍵を返却。母の様子を伝え、次回の面会予定を伝える

こんな流れです。
サ高住における「鍵の管理」と「面会のコツ」は、家族それぞれの状況に合わせた工夫が大切だと実感しています。僕の体験が、同じようにご家族を支える方の参考になれば嬉しいです。

あわせて読みたい記事

おすすめの書籍

関連する内容であわせて読みたい記事

この記事を書いた人
本サイト運営者

m3-f.site ブログを運営しています。
京都市出身、現在は東京都江東区に住まい、妻と一緒に小学生&保育園の二人の子育て中。両親の介護で京都との二拠点生活です。
「野菜作りを楽しむ」をコンセプトにした家庭菜園や農体験の運営を仕事として10年やってきました。今は独立して様々な情報発信などのお仕事と、不動産の管理などをしています。

Posted by m3-f.site