#870 mission066 父、2か月の入院生活を経てついに退院!サ高住への帰宅まで
父がサ高住(サービス付き高齢者向け住宅)の自室で転倒し、搬送されたのがきっかけでした。そこで新型コロナウイルス陽性が判明し、精神的なダメージに加えてアルコール依存からの離脱症状にも苦しむことに。
長い2か月間の入院生活を経て、ようやく「退院できる」日がやってきました。
父にとって退院は、心から嬉しいことだったようで、「もうすぐわし、退院するからな」と、何度も電話で報告してくれました。

身体の回復は順調、でも認知機能は…
身体のほうはみるみる回復していきましたが、認知機能の衰えは年齢もあってか、なかなか改善しませんでした。
病院にいることは理解していても、「これからどこに帰るのか」「実家なのか、マンションなのか」「妻(僕の母)はどこにいるのか」など、混乱する場面も多かったです。
入院後半、母を連れて父の病室に面会に行ったときのことを思い出します。
うまく電話ができず、父の中で「妻(母)はもう亡くなった」と思い込んでしまっていたらしく、病室に現れた母を不思議そうな目で見ていたのが印象的でした。
退院当日の朝、父からの緊急電話
5月2日、いよいよ退院の日。
実家で寝ていた僕に、朝6時ごろ父から電話がかかってきました。
「退院やけど、わし、どうしたらええねん!」
怒り口調です。迎えに行く予定は10時だったのですが、不安になったのでしょう。
担当の看護師さんが前日に「明日、息子さんが迎えに来ますよ」と伝えてくれていたはずなのに、朝起きたら2か月間変わらなかった個室の風景…。それが不安を呼び起こしたのだと思います。
父はもともと神経質で、怒りっぽい性格。でも最近は認知機能の影響もあり、怒ってもすぐ忘れるようになっていました。
だから僕も、「10時に迎えに行けば大丈夫だろう」と思い、少し落ち着いて構えることにしました。
退院、そしてサ高住へ帰宅
予定通り10時、迎えに行くと父は見慣れた部屋着(退院準備のために実家から届けていたもの)を着て、元気そうに手を振りながら廊下を歩いてきました。
手続きを済ませ、書類関係は午後に改めて僕が取りに行くことにして、父を車に乗せ、サ高住へ向かいます。
道のりは車でたった約3分。でも父にとっては2か月ぶりに感じる外の空気でした。
青空が広がり、風は少し冷たかったけれど、父は本当に気持ちよさそうにしていました。
「で、今から帰るとこはどこや?」
父はそんなことを言っていましたが、サ高住の建物が見えると「おぉ、そうそう、ここここ!」と思い出した様子。
サ高住のスタッフの皆さんも、長い入院生活を乗り越えて戻ってきた父を、温かく迎えてくれました。
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