孫との思い出と両親の変化|入学祝に見えた親の老いと向き合う日々#823 介護振り返りnote019
2023年の春、僕の娘が小学校に入学しました。
長男は9歳、長女は6歳。節目の春でした。

京都に住むおじいちゃん・おばあちゃんとは、コロナ禍もあって以前ほど会う機会が減っていましたが、それでも孫のことはいつも気にかけてくれていました。
「風邪ひいてないか?インフルエンザは?コロナは大丈夫か?」
勉強や学校のことよりも、何より二人の体調が一番心配のようでした。
そんな中、「入学祝い」としてお祝い金を用意してくれたのですが、それが少しややこしい話になりました。
祝い封筒にお金を入れたはずなのに、誰が渡したか覚えていなかったり、「父さんに盗られた」なんて話になったり……。
母は最近、細かい記憶がどんどん曖昧になってきていて、お金が絡む話は本当に大変です(苦笑)。
そんな両親のもとで、僕は一人っ子として育ちました。
父は80歳前後、母も70代。孫とのふれあいは、そんな両親にとって大きな楽しみであり、生きがいでもあったのだと思います。
2013年に長男が生まれたとき、それまで少し元気をなくしていた父が、まるで若返ったかのように、毎回の帰省で全力で遊んでくれました。
「父さん、まだそんなに膝動いたんだ!」と驚くほどに。
父も僕も一人っ子で、どちらも男。そこに生まれた孫息子は、まさに“自分の後継者”のように感じていたのかもしれません。
そして、3年後に娘が誕生すると、今度は母が大喜び。
少し内気で人見知りな孫娘に「もっと図太く生きないと!」と笑いながら、お世話を焼いてくれました。
母は四姉妹の長女ということもあり、女の子の孫が可愛くて仕方なかったようです。
ただ、うちの家族で何かを決めるときの最終決定権は、いつの時代も父にありました。
父がOKを出せばそれが正解、たとえ母が反対していても通ります。逆もまた然りです。
この「父の一声で決まる」ルールは、年老いた今でも変わりません。
そして、2020年代前半。
高齢による体力の低下やコロナ禍の影響もあり、それまでは毎年のように帰省していた僕たち家族に、父はこう言うようになりました。
「もう、無理に帰ってこなくていい」
「コロナも心配だし、お前たちに何かあってもいけないから」などと理由をつけていましたが、本音は違ったのかもしれません。
「衰えてしまった自分の姿や、物忘れが進む妻の姿を、子や孫にはあまり見せたくない」
そんな思いがあったのだと、今では感じています。
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