介護保険申請の第一歩:かかりつけ医の意見書取得に奮闘 #814 介護振り返りnote011
2022年1月。父は88歳、母もいよいよ80歳になりました。
父は足腰の衰えが目立ち始め、母とのコミュニケーションのすれ違いによるストレスから、酒量が増えてきました。僕が帰省するたびに、父は同じような愚痴や文句を何度も繰り返すようになっていました。
一方、母は物忘れが増え、それにともなって被害妄想も強くなってきました。財布が見つからない、お金が盗まれたといった不安を口にすることが増え、それを父のせいだと疑うような場面も出てきました。
こうした家庭内の状況を受けて、以前から何度か相談していた地域包括支援センターと話し合いを重ね、まずは介護保険の認定申請をすることに決めました。これは、介護保険制度を利用するために必要な最初のステップです。
介護保険の申請を行うことで、「要支援」や「要介護」といった認定を受け、その程度に応じた介護サービスを利用できるようになります。この時点では、父も母も「まだ自分たちは大丈夫」と言い張っていましたが、僕が家の状況を説明すると、センターの担当者からは「むしろ、もう少し早く申請しても良かったくらい」と言われました。
申請の手続きは地域包括支援センターが代行してくれますし、家族でも申請できるとのことで、僕が父と母、2人分まとめて進めることにしました。
介護保険の申請に必要な「訪問調査」と「主治医の意見書」
介護保険の申請には、「訪問調査」と「かかりつけ医の意見書」が必要です。この2つをどう両親に説明して理解してもらうかが、最初の大きな課題でした。
僕は、「もう二人とも80代になったし、今後必要になったときにすぐ動けるように、いまのうちに介護保険の申請だけしておこう」と伝えることで、ひとまず納得してもらいました。
まずは訪問調査です。僕が立ち会える日に日程を調整し、自宅での聞き取り調査を受けました。こちらはスムーズに完了しました。
次に必要なのが主治医の意見書です。父も母も、月に一度、自宅から徒歩5分ほどの内科クリニックで定期検診を受けています。そこで僕が先生に事情を説明し、介護保険用の意見書をお願いすることにしました。
ただ、その医院では意見書作成のためには、通常の定期検診とは別に、専用の受診予約を取る必要がありました。
母は事情をすべて理解していたわけではありませんが、「何月何日に〇〇医院に行ってほしい」と伝えると、きちんと受診してくれました。
問題は父でした。以前から「ここの看護師さんが少し高圧的で苦手だ」と言っており、あまり好意的ではなかった様子でした。さらに、新型コロナのワクチン接種と時期が重なり、1か月に3回も通院することになってしまったため、「なんでまた行かなあかんのか」と怒ってしまい、説得するのがとても大変でした。
それでも最終的には、父も受診してくれて、主治医の意見書も無事に準備することができました。
晴れて、介護保険の申請が完了
こうして、「訪問調査」と「主治医の意見書」という2つのハードルをクリアし、ようやく介護保険の認定申請を終えることができました。
高齢の両親を支えるためには、介護制度の仕組みを正しく理解し、早めに行動することが大切だと強く感じました。これから本格的な支援が必要になる場面に備えて、今後も少しずつ準備を進めていきたいと思っています。
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