京都の気候特有の表現#942
京都検定対策!夏の京都の天気を激変させる雷雲「丹波太郎」とは?由来や他の地域との比較を解説します。
この記事内容から抜粋した練習問題5問☆
1. 設問
京都の気候特有の表現である「丹波太郎」は、陰暦何月の終わりに丹波の山々から白雲が湧き、愛宕山を越えて京都盆地に覆いかぶさる現象を指しますか。
2. 設問
「丹波太郎」の雲が京都盆地に覆いかぶさる際、白雲はどの山を越えてくるとされていますか。
3. 設問
「丹波太郎」について、「折節の空は水無月の末、山々に丹波太郎という村雲恐ろしく」と表現している、井原西鶴の代表作を答えなさい。
4. 設問
京都の「丹波太郎」に対し、江戸(関東)の山々から発生する激しい雷雨を指す同様の表現は何ですか。
5. 設問
近畿地方で、比叡山や比良山系から発生する雷雲を指す、人名のような表現は何ですか。
☆回答は記事の最後にあります。
丹波太郎(たんばたろう)
「丹波太郎」は、主に陰暦6月(現在の7月頃)の終わりが近づいた時期の、京都の気象現象を表す言葉です。
【現象の概要】
- 時期: 陰暦6月(水無月)の終わりに近づく頃。
- 発生源: 丹波の山々(京都府中部から兵庫県東部にわたる地域)から湧き出る白雲。
- 流れ: この白雲が愛宕山を越え、京都盆地全体に覆いかぶさるように広がる様子を指します。
- 気象変化: 雲の出現とともに雷雲も発生し、雷を伴うなど、天候が急激に激変する特徴があります。
【文献での使用例】
- 井原西鶴『好色一代男』「折節の空は水無月の末、山々に丹波太郎という村雲恐ろしく」と表現されています。この表現から、当時から「丹波太郎」が恐ろしいほどの雷雲・積乱雲として認識されていたことが分かります。
【地域ごとの雷雲の表現】
「丹波太郎」のように、積乱雲などの気象現象を、特定の山や地域に関連付けて人名のように呼ぶ表現は、他の地域にも見られます。
- 江戸(関東):坂東太郎(ばんどうたろう)
- 利根川の異名としても知られますが、東国の山々から発生する激しい雷雨を指すこともあります。
- 奈良(大和):山城次郎(やましろじろう)
- 山城国(現在の京都府南部)や大和国(現在の奈良県)方面から来る雷雲を指す表現です。
- 近畿:比叡三郎(ひえいさぶろう)
- 比叡山や比良山系(滋賀県)から発生する雷雲を指します。

あわせて読みたい記事
おすすめの書籍
リンク

今回のブログ記事前後の関連記事
前述の練習問題の解答☆
1. 回答
6月(水無月)
2. 回答
愛宕山
3. 回答
好色一代男
4. 回答
坂東太郎
5. 回答
比叡三郎


