📝京都検定対策・「松上げ」備忘録#947

京都検定の受験対策として、洛北の山里に伝わる松上げを徹底解説。火伏せと五穀豊穣を祈る愛宕信仰の火祭り、その起源や儀式の流れ、花背など地域ごとの特徴をまとめました。

No.記事内容から抜粋した練習問題(回答は記事の最後にあります)
1松上げが、巨大な松明を燃やして火を奉納する対象としている、火伏せの信仰で知られる神は何ですか。
2松上げの行事が古くから行われてきた、京都市北部の山間地域の総称は何ですか。
3花背八桝の松上げで行われる、上桂川が蛇行する平地の一画に、高さ20mほどの灯籠木(トロギ)を立てる場所のことを何と呼びますか。
4多くの松上げが8月24日前後に行われる中で、花背八桝の松上げが現在行っている日取りは何月何日ですか。
5雲ケ畑で行われる松上げが、花背や広河原のように松明を投げ上げる形式とは異なり、櫓(やぐら)に組んだ松明で表現するものとして知られているのは何ですか。

京都の「松上げ」は、京都市北部の北山と総称される地域、特に山間部の集落で受け継がれてきた伝統的な火祭りです。


🔥松上げの概要と目的

  • 地域: 京都の北部(北山)の集落(花背、広河原、久多、雲ケ畑、小塩など)
  • 目的:
    • 愛宕神(あたごのかみ)への献火行事
    • 火災予防(火伏せ)と五穀豊穣(豊作)の祈願
    • 盆の精霊送りの火としての解釈も含まれる(原型は愛宕信仰による火伏の行事)

📅開催時期

  • 一般的に:8月24日前後
  • 例外・特記事項:
    • 花背八桝(やます)の松上げ: 以前は8月24日だったが、現在は8月15日に開催。
      • 💡理由: 都会からの帰省者(若い男性)が多いお盆期間の方が、伝統行事の維持が容易なため。

🏞️花背八桝の松上げ(例)

松上げの形態は地域によって異なりますが、花背は松明を投げ上げる代表的な形式です。

  1. 場所の設定:
    • 上桂川が蛇行する平地の一画を**トロキバ(灯籠木場)**と設定する。
  2. 大松明の準備:
    • トロキバに、高さ20mほどのトロギ(灯籠木:檜丸太)を立てる。
    • トロギの先端に大松明(大笠)を取り付ける。
  3. 点火の儀式:
    • 男衆が、手に持った火のついた手松明(てたいまつ)を、トロギの先端の大松明めがけて投げ上げる(上げ松とも呼ばれる)。
    • 手松明が大松明に命中し、火をつけて燃え上がらせることを競う。
  4. クライマックス:
    • 大松明の火勢が最強になったら、トロギを支えていた綱を切り、トロギを倒す

📌ポイント

  • 愛宕信仰が下地であり、火伏せの行事である点が重要。
  • 京北・洛北の山間部で行われる、地域に根差した献火行事
  • 花背の8月15日(お盆)への日程変更は、伝統維持のための工夫。
  • 雲ケ畑では、投げ上げる形式ではなく、櫓(やぐら)に組んだ松明で漢字一文字を灯す形式が知られています。

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ロスジェネ40代の、あれこれ記録帳を運営しています。
京都市出身、現在は東京都江東区に住まい、妻と一緒に小学生&保育園の二人の子育て中。両親の介護で京都との二拠点生活です。
「野菜作りを楽しむ」をコンセプトにした家庭菜園や農体験の運営を仕事として10年やってきました。今は独立して様々な情報発信などのお仕事と、不動産の管理などをしています。

前述の練習問題の解答

No.回答
1愛宕神(あたごのかみ)
2北山(きたやま)
3トロキバ(灯籠木場)
48月15日
5漢字一文字

Posted by ロスジェネ40代の、あれこれ記録帳