華道の用語(京都検定受験者向けメモ)#939
京都検定や華道をこれから学び始める方へ。生け花のルーツとされる「供華」から、華道の基本様式である「立花」「抛入華」まで、歴史的な背景とともに重要用語を解説します。このメモで、華道史の基礎をしっかり押さえましょう。
これから華道を学ぶ方、京都検定を目指す方のために、華道の歴史や基本となる用語をまとめました。
この記事内容から抜粋した練習問題5問☆
- 現在の生け花の源流とされる、死者への哀悼や追悼の気持ちから生まれた華道の前史的な風習を何と呼びますか。
- 『今昔物語集』に描かれた、涅槃会で供花とともに参会者に配られたとされる、当時の造花のことではないかと考えられる花の名前を漢字二文字で記述してください。
- 華道が宗教的な意味合いから観賞用へと変化し、発展していった契機の一つとして、室町時代に盛んに花が立てられるようになった法会(行事)を何と呼びますか。
- 花木や樹葉を花瓶に入れ、木の枝に何種類かの役割を持たせて壮大で整然とした美的な形を整える、華道の代表的な様式は何ですか。
- 自然そのままの枝ぶりを活かし、自然の趣や即興性を重んじて花器に花材を仕立てる華道の一手法を何と呼びますか。
目次
供華(くげ)
華道の前史とも言える風習で、現在の生け花や**立花(りっか)**の源流です。
🌹 成立の背景
- 植物や草花の美しさに、死者への哀悼や追悼の気持ちを重ねることから生まれた風習です。
📚 古典に見る供華
- 『今昔物語集』には、**涅槃会(ねはんえ)**に集まった道俗(僧侶と俗人)、男女が「**供花の唐花(とうか)**を取って冥土の験(しるし)にする」という場面が描かれています。
- 唐花は、当時の造花のことを指していたと考えられています。
- これは、涅槃会に供えられた花が、会の後に参会者に配られる風習があったことを示唆しています。
🌟 華道への発展
- 室町時代になると、**七夕法会(たなばたほうえ)**などで盛んに花が立てられるようになり、いけばなが発展しました。
- 季節の行事として定着するにつれて宗教的な意味合いは薄れ、次第に観賞用へと変化していきます。
- 「花を主として七夕を祝う」この時期は、華道史におけるルネサンスとも言える発展期でした。
立花(立華)(りっか)
供華の系譜を受け継ぎ、室町時代以降に華道の様式として確立しました。
🌲 定義と特徴
- 花木や樹葉を花瓶(かびん)に入れて美的な形を整える、華道の様式の一つです。
- 単に花を挿すだけでなく、木の枝に何種類かの役割を持たせて、壮大で整然とした自然の景観を表現する点が特徴です。
抛入華(なげいればな)
立花と並んで、華道の二大源流とされる様式です。
🍃 定義と特徴
- 花器に花材を「投げ入れる」ように、自然そのままの枝ぶりを活かして仕立てる華道の一手法です。
- 立花のような複雑な役枝の構成よりも、自然の趣や即興性を重んじます。

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前述の練習問題の解答☆
- 供華(くげ)
- 唐花(とうか)
- 七夕法会(たなばたほうえ)
- 立花(りっか)
- 抛入華(なげいればな)


