母がデイサービスに通い始めた理由とその効果|サ高住での7か月目の出来事 #884 mission080
僕の母は2024年9月、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)に引っ越してから7か月が経ったタイミングで、週1回のデイサービスに通い始めました。
目的は大きく2つ。
まずは、まだ自分の足で歩ける母が外出して新鮮な空気を吸うこと。そしてもう1つは、父とのコミュニケーションによるストレスから解放され、認知症の進行を少しでも遅らせることです。
実は母も父も、昔から「デイサービス=お年寄りが集まって遊ぶ場所」という固定観念を持っていました。もうとっくに後期高齢者なのに、「まだそんなところには行かなくても大丈夫」と言うのが二人の口癖だったんです。
そこで僕は、母が2024年7月に受けた股関節手術のリハビリを兼ねた「運動の場」としてデイサービスを利用する、という前向きな提案をしました。

サ高住には朝9時20分にマイクロバスが迎えに来てくれ、施設までは車で10分ほど。デイサービスでは昼食と入浴がセットになったコースで、日中を過ごして夕方17時ごろに戻ってきます。夕飯はいつも通りサ高住で食べる流れです。
ただ、ひとつ大きな問題が発生しました。
母は「外出するときは必ず財布の入ったハンドバッグを持ち歩きたい」と強く主張したのです。持参するのは構わないのですが、デイサービス側のルールでは貴重品の預かりはできません。つまり、活動中もずっとバッグを持っていなければならないのです。
母にとって不安なポイントは2つ。
① ハンドバッグが手元にないと不安になる
② 外出時に財布を置いていくことが怖い
サ高住のスタッフさんは「お出かけのとき、お父さまに預けてもらいましょうか」と提案してくれました。
でも僕は「それは無理です」と即答しました。
なぜなら、母は以前から被害妄想気味で「父に財布を盗られた」「通帳を隠された」と繰り返していたからです。余計に不安をあおってしまいます。
僕自身が毎回付き添えればいいのですが、それも現実的ではありません。
最終的には、ケアマネージャーさんに間に入ってもらい、デイサービス側と交渉してもらいました。
その結果、「ハンドバッグは持参OK。施設に着いたら帰るまでスタッフが預かり、中身の管理は自己責任」という条件で了承してもらえたのです。
さて、僕が心配していた「途中で帰ると言い出すのでは?」「スタッフさんを困らせないか?」という不安は杞憂でした。
母は元気に半日を過ごし、気持ちよさそうに帰宅しました。
外出でリフレッシュできたこと、父から解放された安心感、さらに運動もできたことで気分も上々のようです。
この「リハビリという名のデイサービス通い」が何度か続いたころ、僕が母に会いに行って一緒に散歩したときのこと。
母の会話や歩き方がどこか少しシャープになっている気がしました。
週1回とはいえ、確実に効果が出ている――そんな手応えを感じていた矢先、ある“事件”が起こったのです。
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