父の排せつトラブルに直面して見えたこと|遠隔介護の限界と向き合う#629 介護振り返りnote023
2023年6月。いつものように遠隔介護を兼ねて、仕事ついでに実家へ戻った僕は、玄関を開けた瞬間に異変を感じました。
家の中に充満していたのは、強烈な排せつ臭。すぐに、父の使っているトイレとリビング、そして2階の寝室が原因だとわかりました。
どうやら、父の排せつがうまくできていないようでした。
まず僕にできることは、トイレの掃除と、父の衣類の確認でした。シャツを見てみると、茶色い擦れたような跡が付いていて、明らかに何かがこびりついたような形跡がありました。
今までの遠隔介護では、会話や冷蔵庫の整理、掃除などが中心で、生活空間にここまで直接影響を及ぼすことはありませんでした。この出来事は、介護対応の質を根本から見直さなければならない、大きな転機になりました。
地域包括支援センターやケアマネージャー、訪問看護の看護師さんにも相談してみましたが、前回の訪問時には特に異常はなかったとのこと。この日にたまたま起きた出来事なのか、それとも進行している兆しなのか……答えはわからないまま、対処を急ぐ必要がありました。
そこで、アース製薬の介護ブランド「アースの介護」から出ている消臭関連グッズを購入することにしました。
- 洗えないものを良い香りに変える「クリアジェット」
- お部屋に漂う排泄臭を良い香りに変える「消臭ノーマット」
- トイレなどに使える「消臭スプレー」
これらの商品群は「ヘルパータスケ」として販売されていて、特にスプレータイプは即戦力になりました。父が座っていた座椅子、トイレ、廊下などに使用。
消臭効果はあるものの、過剰に使うと香りが強くなり、かえって不快になることも。やはり、これはあくまで対症療法であって、根本的な解決が必要だと痛感しました。
父に、「最近トイレで失敗することある?」と聞いても、「大丈夫」と答えるばかり。母に聞いても「そう?あまり一緒にいないから感じないわね」と。
本当にそうなのかな、と疑問が消えませんでした。
そんなとき、一筋の光が差し込みます。
それは、かかりつけの主治医の看護師さんからの一言でした。その言葉をきっかけに、僕の中でひとつの仮説が浮かび、やがて事態は思わぬ方向から解決に向かうことになります。

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