遠距離介護4年目の現実|両親の生活を支えるために僕が始めたこと#825 mission021
2023年の春。母の物忘れから始まった僕のゆるやかな遠距離介護は、いつの間にか4年目を迎えていました。
最初はコロナ禍の影響で思うように動けなかった時期もありましたが、最近は感染状況も落ち着き、両親の暮らし方に新たな問題が見え始めていました。
父は日常生活でできることがどんどん限られてきており、母は身体こそ元気ですが、物忘れや判断ミスなどによる“ちょっとした失敗”が日々の中に増えていました。

1. トイレ・お風呂掃除の限界と介護サービスの導入
一つ目の課題は、水回りの清掃です。
父はトイレを頻繁に使いますが、排せつがうまくいかず、掃除が追いつかないことが増えてきました。
また、お風呂掃除も定年後は父の担当でしたが、足腰の衰えで徐々に難しくなり、僕が月に2回ほど帰省して掃除するように。しかし、それも限界があります。
そこで、介護保険を活用し、訪問看護に加えて週1回、ヘルパーさんに「トイレ・お風呂の清掃」を依頼することにしました。
父も「足腰もうしんどいやろうから、お願いしようよ」と、思いのほかすんなり受け入れてくれました。
訪問看護は水曜、清掃は金曜に設定し、両親のもとに「外の目」が入る日を週2回に増やすことで、安心感も生まれました。
2. 夫婦間のコミュニケーションの断絶
二つ目は、長年の積み重ねによる夫婦間の不和です。
母は、父に対して感情を抑えきれず、「生活費ももらってなかった」「勝手に通帳を持ち出して混乱させた」「ビールばかり飲んで寝てばかり」と激しく責めるように。
僕から見れば、母の言い分もわかりますし、父も思い当たる節はあるようですが、話し合いにならず、父は酒に逃げる日々。
「昔からのわだかまり」が、今も家の空気を重たくしています。
3. 冷蔵庫の生ものが溢れる問題
三つ目は、母の物忘れによる買い物の重複。
一日に3〜4回スーパーに通い、同じ野菜を繰り返し買ってきます。特にレタスとトマトの買いすぎが目立ちます。
「アホやなぁ、あったのに」と言いながら、すでにある野菜室に詰め込む母。
最初は父が冷蔵庫の中身を整理してくれていましたが、これも次第に負担が大きくなって放置されるように。
僕は帰省のたびに冷蔵庫の中をチェックし、賞味期限切れや傷んだ食品を「燃えるゴミ」にまとめて処分するのがルーティンになりました。
このように、少しずつ生活の中に“できなくなること”が増えていく中で、僕なりに工夫しながら遠距離介護を続けています。
完璧な解決策はなくても、「ちょっとだけ楽になる仕組み」をひとつずつ増やすことが、今の僕にできる精一杯のことだと感じています。
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