老々介護の限界と決断――両親の新しい住まいを考える#840 mission036
徐々に、父の口から「住まいを変える」という話が、前向きに出るようになってきました。
きっかけは、老々介護の限界が見えてきたからだと思います。足腰が弱り、思うように動けなくなってきた父。そして、記憶力が日に日に衰えていく母。そんな母との会話にストレスを感じることも増え、「そろそろ限界かもしれない」という思いが父の中でも高まっていたようです。
そんなある日、父がこう口にしました。
「お父さんとお母さんと、同じ建物の別々の部屋がええな。できれば、あんたが京都駅から通いやすいとこ」
僕が「じゃあ、美味しいごはんが出るところにしよう」と答えると、父も「そうやな」と笑っていました。
ついにここまで来たか、という感じでした。
母を連れて介護施設の見学に数回行っていた2023年11月。
その頃、僕は「シニア住宅紹介のお助けマン」さんと連絡を取りながら、空室の確認と最終調整のため、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の見学を進めていました。
両親が別々の部屋で同じ施設に入居するとなると、費用もそれなりにかかりますし、しっかりとした計画も必要です。ですが、もはや両親には現実的な判断をする力は残されていません。ここは僕がしっかりと決断するしかない、そう覚悟していました。
幸いなことに、前年に亡くなった叔母の相続をきっかけに、母の資産状況を把握できていたこと、そして両親の年金受給額や今後の生活費を見積もった結果、「ここなら大丈夫」と思える施設が見つかっていました。

できれば隣同士の部屋が理想でしたが、それは難しく、現実的な選択肢として、京都駅からもアクセスの良い下京区のサ高住を候補に。
築10年ほどの5階建ての建物で、2階に空室があり、条件的にも申し分ないものでした。
その施設には「夫婦部屋」という選択肢もあり、案内されましたが、うちの両親には到底無理な構成。
顔を合わせるのは、1日数回、食堂で一緒にご飯を食べる時間くらいがちょうどいい。
そういう生活リズムが、今の2人にはベストなんだと思います。
今後のステップとして僕が想定していたのは、
- 父に施設の概要を説明して了承をもらう
- 母を連れて最終確認の見学へ行く
- 空室を仮押さえし、契約手続きを進める
という流れです。
父はもう、施設の見学に出向く体力はありません。
「美味しいごはんが出るところで頼むわ」と笑いながら言われ、あとは僕にすべて任せてくれました。

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